NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「兵器人間」(55点/アクション)

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■■■「兵器人間」■■■
(55点/アクション)

 ヴァージニア州に住むアランは、恋人をスーパーに迎えに行って見事に振られた帰り道に、奇妙な子供の策略によって落雷の直撃を受けさせられて気絶してしまう。

 研究室のベッドのような場所で目を覚ました彼は、不気味な科学者によって片目をエグリ取られて彼が作成中の人造人間のパーツとして利用される事となってしまう。

 彼の目を怪物に移植した事によって実験の準備は完了し、果たして博士の人造人間を起動するというシークエンスが実行される事となるが、最終段階に装置が落雷によって暴走。

 怪物が暴走したうえに異次元へのポータルが開いてしまった事によって、彼らは南北戦争時代のヴァージニア州へと怪物と共に転移させられてしまうのだった…



 人造人間の実験をしていたマッドサイエンティスト達が落雷のショックで南北戦争時代のアメリカへとタイムスリップしてしまうという、ちょっとだけホラー風味のSFアドベンチャー映画。

 タイトルだけ聞くと「武器人間」のパクりっぽく見えるので、一瞬『ASYLUMのお馴染みのパクり路線か?』と思いきやそういう訳では無い模様です。

 むしろタイトル以外に実際の中身の方は似てる要素は微塵も無くて、そもそもホラーというよりもタイムスリップもののSFアドベンチャーっぽい要素の強い作品ですね。
 ちなみに原題が「武器人間」(Frankenstein's Army)に対して「兵器人間」(ARMY OF FRANKENSTEINS)とタイトルがちょっと似てるのでパクリ映画として配給されたみたいですね。(内容が全く似てないので原題の方でパクり意思があったのかは不明)

 お話としては、マッドサイエンティストに拉致された主人公が落雷のショックでタイムスリップして科学者や怪物(人造人間)と一緒に南北戦争時代に飛ばされる』というストーリーなのですが、マッドサイエンティストが何のために人造人間を作ってたのかとか設定に不明瞭な部分が多いです。

 というか、そもそも人造人間を作る装置が落雷で暴走したからといって、なんで異次元の扉が開いて過去に飛ばされるのか全くもって意味不明ですし…

 内容の方も怪物退治がメインというよりも、南北戦争を舞台としたタイムスリップもの』がメインな印象なのですが、その割にはそれほど時代背景をシッカリとベースにしている訳でも無くて全体的にちょっと大雑把な印象を受けます。

 でも、怪物が出てきたと思ったらいきなりタイムスリップして、タイムスリップした先で怪物が仲間になって北軍と一緒に共闘してみたりと、ひたすら予想外の展開の連発でお話の先が全く読めないのはなかなか面白いですね。

 アクションシーンはショボいですし特撮もお察しなレベルなので見応えは無いものの、このお話が『予測できない展開』の連発のお陰でそれなりに退屈せずに観れるのは良い感じ。

 特に中盤以降~終盤にかけてはかなり予想外の展開に突入して、意外性があるという点ではなかなか面白いです。

 ただ全体的にお話が練りこみ不足なのとキャラの描き込みが足りてないせいで、『何でそういう展開になるんだよ?』って感じの理不尽な展開が多くて、どうにも観ててイライラするのは難点ですかね…

 またヒロイックな冒険もの的な内容の割には、全体的にカタルシスが薄くて爽快感が殆ど感じられないのも困りものでしょう。
 こういうノリのお話なら、ラストはもうちょっとスッキリするようなご都合主義的な展開でも良かったんじゃないかと思うのですが…

 あと割とティーンとかファミリー向けみたいなストーリーの割には、結構グロいシーン(まあ特撮がショボいのでたいしてグロくないんですが(笑))とかがあってみたりと、なんとも描きたい方向性が良くわからない作品でした。

 総評としましては、『ちょっとイロモノ系に走った低予算の冒険SF映画』って感じの作品ですね。
 お話自体はなかなか意外性があってツマんなくは無いんだけど、だからと言って『面白いか?』と言われるとなんとも微妙な内容なのが辛いところ…

 今ひとつどういう層にオススメすれば良いのか分かりませんが、全く期待せずに観るならば意外性があってそこそこ楽しめる一本と言った感じかも?

 ちなみに「武器人間」のパクりや亜流と期待してみる場合は、そういう要素は微塵も無いので肩透かしを食らわされるないように要注意ですよ。