NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「メトロ42」(60点/パニック)

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■■■「メトロ42」■■■
(60点/パニック)

 モスクワで行われた不注意な工事の影響で、地下トンネルのモスクワ川の底が崩落し、地下鉄の線路内に浸水するという事故が発生。

 事故の際にそのエリアを通過中だった、地下鉄のメトロ42号は満員の乗客を載せたまま脱線して、地下トンネルの途中で多くの死者を出しつつ立ち往生する事となってしまう。

 娘のクシューシャとともに地下鉄に乗車していた医師のアンドレイは大事故をなんとか生き延びるが、同じ地下鉄に閉じ込められたメンバーの中に妻の浮気相手である実業家のヴラトが居る事を発見。

 2人はいがみ合いながらもクシューシャを助けるために協力して、なんとかして地下通路全体が水没する前に脱出しようとするが、そんな矢先に政府は事故の拡大を防ぐために3時間後にトンネルの気密扉の閉鎖する事を決定し…



 ロシアの地下鉄で浸水事故に巻き込まれた人たちが水没前になんとかして地上への脱出を目指すという、ディザスターパニック映画。

 まあ一言で言ってしまえば、過去にスタローンの主演してたパニック映画である「デイライト」のロシア版みたいなお話ですね。

 お話そのものはオーソドックスなディザスターパニック映画という感じの内容で、浸水したロシアの地下鉄の地下トンネルに取り残された人たちが、自力で地上への脱出を目指すといった感じの展開なのですが、それに『妻の浮気を知りながら止められないヘタレ医師の主人公』と『妻の浮気相手』との愛憎劇や、主人公と娘の人間ドラマみたいなのが絡んでくる辺りが割と本作の独特の設定という感じ。

 ただ、ぶっちゃけその独自の設定がお話に面白味を与えるために上手く機能してるかというと微妙なところで、妻を寝取られて矢鱈とウジウジしている主人公のネガティブな態度も結構イラッときますし、主人公と浮気相手の2人が終始ギスギスしてるので変なところでストレスが溜まります。

 まあ『内気な主人公』と『強気な浮気相手』という対照的なキャラの配置は面白いですし、『障害を乗り越える事で主人公たちの人間関係が変わっていく』という人間ドラマ的な要素を入れるというアイデアは悪くなかったと思うのですが、それならその要素に対してもう少しカタルシスがあっても良かったかなぁ?

 ちなみにパニック映画的な要素の部分はオーソドックスな感じで、その部分に関しては十分に及第点な内容といった印象。

 パニックシーンはそこそこお金がかかってる感じで迫力がありますし、脱出を目指す主人公たちが巻き込まれる『障害』も適度に発生して、退屈しないレベルでは十分にお話を盛り上げてくれます。
 微妙に救助隊との『すれ違い』的なネタが多くて、ちょっとヤキモキさせられるシーンも多いですが、まあお話の組み立てとしてはアリでしょう。

 ただ映画全体で2時間強と少し尺が長めなせいもあって、脱出シーンが結構ダラダラとした感じで全体的にちょっと冗長な印象を受けるシーンが多かったのは残念だったところかな?

 パニック要素のオチも予想どおりといった感じでしたし、人間ドラマ部分のちょっと考えさせられるような印象的なオチも良い感じで、総じて悪く無い映画でした。


 総評としましては、そこそこの予算をかけてシッカリと作られたディザスターパニック映画といった感じの内容ですね。

 物凄くオススメという訳では無いもののパニック映画としては十分に及第点な内容といった感じですので、その手の作品が好きならば普通に楽しめるレベルの1本だと言えるでしょう。

 ロシア映画らしく映像のセンスとかも悪く無いですので、予告とかを見て気になっているのであればそこそこチェックしておいても損は無い作品だと思いますよ。