NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ゴール・オブ・ザ・デッド 前半戦・後半戦」(55点/モンスター)

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■■■「ゴール・オブ・ザ・デッド 前半戦/死霊のキックオフ大乱闘編」■■■
■■■「ゴール・オブ・ザ・デッド 後半戦/地獄の感染ドリブル編」■■■
(55点/モンスター)

 フランスの片田舎のキャプロングの『ラグロップ・スタジアム』で、パリのチームである「オランピック・ドゥ・パリ」と地元チームである「E.J.A.C.」の試合が行われようとしていた。

 かつてからのライバルであるサム・ロリに対抗意識を燃やすジャノは、医師である父親から筋肉増強材の注射を受けるが、その注射には誤配送で届けられた謎の薬物が入っており、そのせいで彼はゾンビ化して。

 そしてゾンビ化したままサポーターたちで満員のスタジアムに現れたジャノはピッチにいる選手や観客たちを次々とゾンビ化していき、ゾンビの群れは瞬く間に町へとあふれ出す事になってしまう。

 審判の不当な判定によって試合開始直後に退場を食らっていたロリは、近所のバーに立てこもる事でなんとかゾンビたちの襲撃をなんとかしのぐ事に成功するが…



 謎の薬物によってゾンビと化したサッカー選手たちがスタジアムのサポーターや町を襲撃するという、フランス製のゾンビ映画

 前・後編の2本で出ているのでエラく長い作品のように見えますが、実際には各巻が70分程度しか無いのでボリューム的には2時間強程度の内容です。
 まあ、もともとがフランスのTV映画で前・後編放映されたものなんでしょうけど、ボリューム的にも内容的にも『1枚でまとめて出してくれよ』って感じの作品ですね。

 ネタとしては『サッカーを題材にしたゾンビ映画って事で、確かに今までに無かったノリではあります。

 欧州の映画らしく『サッカーを題材にしたブラックなネタ』が多めの印象ですが、『ゾンビ=フーリガン』みたいなオマージュのネタなのかと思いきや、そこまでサッカーネタは濃くなくてちょっと中途半端な印象。

 「ショーン・オブ・ザ・デッド」とかほどはコメディ色が強い訳でも無くて尺も2時間強と長めなので、単純に『テンポのイマイチ良くないゾンビ映画』みたいになってしまってるのが惜しい。
 特に前編の最後と後編の最初に『前回のまとめ』みたいなシーンが挟まるため、前後編を続けて観るとテンポが悪くてちょっとイラっとします。

 尺が長いだけあって、登場人物のキャラの掘り下げなんかはシッカリしているのですが、登場人物が軒並み矢鱈と性格が悪くてギスギスしてるシーンが多いせいで観ていてちょっと疲れます。
 (まあ、その辺のノリが欧州映画らしい『ブラックユーモア』とも言える部分なんでしょうけど…)

 また、メインの登場人物が何組かに別れた『群像劇』っぽい描かれ方をしているものの、そこまで世界観の掘り下げがしっかりしてる訳でも無いので、単にゴチャゴチャしてて分かり難い話になってしまっているだけな感じのは困りもの。

 ゾンビとの戦いのシーンはそこそこ過激ですし、マネージャーが無意味に矢鱈と強かったり、ゾンビとの戦いのシーンが無駄にスタイリッシュだったりとネタとしての見どころもそこそこあるのですが、先述のとおり全体的にテンポが良くないせいで冗長で盛り上がりに欠ける印象になってしまっているのは、ちょっと惜しいところです。

 ラストの展開とかは結構熱くて良い感じなのですが、ぶっちゃけ作品のノリ的には90分ぐらいで簡潔にまとめてくれてた方が良かったんじゃないかなぁ?

 無駄に長いせいでテンポが今ひとつの部分が目立ってしまいますが、割と普通に楽しめる部分もある作品ではあったので、ちょっと惜しい印象を受ける映画でしたよ。


 総評としましては、全体的にゾンビものとしては及第点で悪くは無いんだけど『わざわざ2本組みセットで借りて観るほどか?』と言われるとちょっと微妙な気もする作品です。

 まあ2本組みのせいで妙に期待値が上がってしまうので、余計に微妙に感じてしまう部分はあるのなぁ?
 まあ内容的には、ゾンビ映画が好きならばそこそこ楽しめる一本だとは思います。

 ケーブルTVとかでまとめて観ると良い感じじゃないかと思うので、そういう方式で観る機会があれば迷わずチェックしておいても損は無い作品だと思いますよ。