NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「アンノウン・コール」(60点/サスペンス)

イメージ 1

■■■「アンノウン・コール」■■■
(60点/サスペンス)

 妻と別れて一人で暮らすロビー活動家のコリンは、ある日、分かれた妻から幼い娘のサマンサを一晩だけ預かる事となる。

 しかしそんな矢先、彼のもとに何者かからの非通知の電話が着信。
 その何者かは、彼の家の地下に爆弾をしかけた上に彼の豪邸の最新鋭のセキュリティシステムをハッキングして家の中を監視しており、『家から一歩でも出たり外部へと連絡を取ろうとしたら即座に爆弾を起爆する』という脅迫のメッセージを伝えてくる。

 コリンは渋々ながらも娘の命を救う為に犯人からの要求に従う事となるが、犯人は彼らの命を救うゲームとしてまず最初に『自分の正体を当てること』を要求してくるのだった…



 脱出できないようにセキュリティシステムが張り巡らされて爆弾のしかけられた豪邸に閉じ込められた男が、娘の命を守るために正体不明の犯人と対峙するという、サスペンススリラー映画。

 『富豪がセキュリティシステムのかかった屋敷に爆弾を仕掛けられて閉じ込められる』という何となくどこかで聞いたような設定から、過去作のリメイクか何かかと思ったのですが特にそういう訳でも無い模様です。

 設定としては割とオーソドックスなタイプのシチュエーションスリラー的なお話なのですが、中身の方は単なるシチュエーションスリラーではなく割と凝った構成のそこそこ良く出来たサスペンス映画という感じ。

 シチュエーションスリラーらしく主人公と犯人の『駆け引き』だけでダラダラとお話が進んでいくのかと思いきや、途中から別れた奥さんや奥さんの今の恋人が家にやってきたりとそこそこ起伏に富んだ展開で、中盤以降は意外と先の読めない展開に突入するのはなかなか面白いです。

 また、屋敷の中がメインで舞台となってるうえに登場人物も少ない割には、そこそこテンポが良くてあまり中だるみしない印象なのも良い感じでしょう。

 『正義』を振りかざしている割には独りよがりな犯人のキャラクターも良い味を出しており、『仕事を重視しすぎるあまりに他人を思いやれない主人公』の人物像との対比もなかなか面白いですね。

 ただ設定やストーリーはそこそこ面白いのですが、サスペンスとしてはちょっとイマイチに感じる部分が多いのが残念なところ。

 全体的にサスペンス部分に重厚さが無くて、主人公たちの言動が妙に軽いせいで『命をかけたやり取りをしている』という印象が無くて、緊迫するシーンが今ひとつ盛り上がりません。

 序盤から主人公が犯人の言動を簡単に信じすぎて矢鱈とアッサリと情況を受け入れる(普通は『爆弾が仕掛けられてる』って言われてもスグには信じないと思う)せいもあって、あまり現実感が感じられないのも緊張感を削いでいる原因かも?

 また、お話の流れとして『主人公が犯人の正体を突き止めること』がメインの謎解きになっていくのですが、この謎に対するヒントみたいなものが本編の中で特に提示されていないので、ラストで唐突に謎解きをされても『ふーん、そうなんだ?』って程度で終わってしまって驚きも何も無いのは微妙なところですね。

 ラストのオチも、ご都合主義っぽ過ぎてちょっとイマイチかなぁ?
 もうちょっと捻りがあっても良かった気はしますよ…

 全体的にちょっと薄っぺらい内容で『重さ』が足りない印象なので、『もうちょっとその辺がシッカリと作られてたら良い作品になったんだろうなぁ…』って感じの一本でしたよ…


 総評としましては、全体的に物足りない部分もありますが割と面白い部分も多いので『そこそこ良く出来たサスペンス映画』って感じの作品ではありますね。

 2時間ドラマ的な『軽く見れる感じのサスペンススリラー映画』を求めているのであればなかなか楽しめる作品だと思いますので、そういう需要があればチェックしてみても損は無い一本だと言えるでしょう。

 まあ不満点はあるものの普通に楽しめるレベルの作品ではありますので、気になっているならばお好みでって感じの映画でしたよ。