NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「NSFW 絶対消去」(65点/サスペンス:結構オススメ)

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■■■「NSFW 絶対消去」■■■
(65点/サスペンス:結構オススメ)

 法律事務所で働くトムは、翌日から開始される大手製薬会社であるデニング製薬の薬害裁判の準備に追われていた。

 しかし深夜に事務所から帰宅しようとした彼は、ビルのロビーで事務所に侵入しようとする怪しい男性を発見。
 不審に感じて男の後を尾けてみたところ、男が事務所に残っていた他の社員を殺害している現場を目撃してしまう。

 彼は、たまたま残業で事務所に残っていた同僚のロジャーに危険を告げ2人で事務所から脱出しようとするが、出入り口がロックされて深夜のオフィスに閉じ込められてしまった事に気付く。

 トムはなんとかして助かるためにその男から身を隠し続けるうちに、その男が事務所に対して何らかの『仕掛け』を行おうとしているのではないかという事に気付くが…



 深夜のオフィスに『謎の殺人者』と一緒に閉じ込められた一人の男が生き延びるためになんとかして事務所から脱出しようとするという、サスペンススリラー映画。

 タイトルも聞いた事が無いですし全く話題にもなってない映画ですが、実はジュマンジ」や「ジュラシック・パークIII」(最近だと「キャプテンアメリカ」)を撮ったジョー・ジョンストン監督による作品で、コレが割と良くできたサスペンス映画だったりします。

 ちなみにタイトルの「NSFW」というのは原題の「NOT SAFE FOR WORK」(職場向けとしては安全ではない)の略のようですが、コレだけ聞いてもどんな映画なのやらサッパリ分からないですよね…
 流石にコレは、もうちょっと内容が分かりやすい邦題を付けた方が良かったのでは?
 (※余談ですが「NOT SAFE FOR WORK」というのは、もともとは『会社から閲覧すべきではないWebサイト』(アダルトサイト等)とかを指す言葉のようです。)

 まあそれはさておき…
 本作のお話としては『殺し屋と一緒に深夜のオフィスに閉じ込められた一人の男が、逃げ回るうちに殺し屋の真の目的を知り…』と言った感じの内容で、いわゆる閉鎖環境タイプのシチュエーションスリラー映画ですね。

 シチュエーションスリラーらしく非常に低予算な感じの内容ですが、サスペンスとしての展開が非常にスピーディで、次々と訪れるトラブルに対して主人公がへこたれずに果敢に立ち向かっていく展開は素直に面白いです。

 主人公がコレといった特技のない凡人ながらも意外と頭のキレる感じのキャラクターで、殺し屋を相手に丁々発止の駆け引きを繰り広げていくのもなかなかに痛快。

 また主人公や殺し屋を含めて登場人物が基本的に『アホな行動』を取らないため、スリラー映画としてストレスが溜まらないのも何気にポイントが高いです。
 (だいたい、無駄にトラブルを起こすイラつくキャラが居たりする場合が多いので…)

 ただお話そのものは面白いのですが、サスペンスとしての意外性はあまりなくて謎解き要素が薄いのは残念なところ。
 そもそも本編の最大の謎解き要素みたいな部分が、作中の中盤あたりで自らネタバラしされてしまうため、終盤の展開がどうにも盛り上がりませんでした。

 あとラストもちょっとスッキリしない終わり方なのですが、この展開なら『もっとスッキリとしたカタルシスのある終わらせ方でも良かったんじゃないかなぁ?』と感じたのは私だけ?


 総評としましては、低予算ながらも非常にコンパクトかつスピーディにまとめられた『佳作のシチュエーションスリラー映画』って感じの作品ですね。

 アッと驚く意外性や本作ならではという個性は無いものの、普通に楽しめるレベルの良作ではあると思いますので、シチュエーションスリラー系の作品が好きであれば十分に楽しめる映画だと思います。

 シチュエーションスリラーって、むしろイロモノ要素がある作品が多いので、突飛な要素の無い本作は、逆に『安心して観れる一本』だと言えるかもしれませんね。