■■■「そのネズミ、凶暴につき」■■■
(55点/サスペンス)
再婚したばかりの父親のコーリーと継母のサラ、幼い息子のリアムは、休暇を過ごすために田舎町にある別荘へと訪れるが、亡くなった母親の息子であるコーリーが新しい母親を認めてくれずに、未だにわだかまりのある状態が続いていた。
別荘に到着して部屋を調べたところ、部屋が何者かに荒らされており部屋に血痕のようなものが残されているのを発見。
彼らは不気味なものを感じつつも別荘で過ごす事となるが、深夜に奇妙な物音とともに息子のコーリーが居なくなっている事に気付く。
助けを求めて警察に連絡した彼らだったが、駆けつけた警官が彼らが見ている前で奇妙なネズミのマスクを被った男によって殺害され、やがて彼ら自身も動物マスクを被った謎の集団によって拘束されてしまうのだった…
田舎町の別荘を訪れた一組の家族が奇妙な動物マスクの集団によって監禁されるという、サスペンススリラー映画。
某邦画をパクったようなタイトルが付いていますが別にバイオレンス系の刑事ドラマという訳では無く、『謎の侵入者』の恐怖を描いた欧米ではお馴染みの『ホームインベージョンもの』のサスペンス映画ですね。
(ちなみに原題は「TORMENT」(苦痛/苦悩)みたいな感じのタイトルです。)
お話としては『とある家族が謎の侵入者による襲撃を受けるんだけど、襲撃者の目的はいったい何なのか?』みたいな感じの展開で、このジャンルのプロットとしてはお約束な印象。
お話のテンポも良くそこそこ緊張感のある作りで全体的に悪くは無い感じですし、序盤で『アニマルマスクの集団』の目的が全く見えてこないのも不気味で良い感じです。
ただ犯人の目的は終盤で明らかにされるものの、この動機に関する部分がいま一つ説得力が無くて釈然としない気持ちになってしまうのはいただけません。
『家族の絆』みたいなのをテーマとしているのでしょうが、全体的にどうにも説得力不足な感があるので、もうちょっとドラマ部分に力を入れて、テーマ性を掘り下げて描いた方が良かったんじゃないかと思いましたよ。
また全体的に描写が薄味で緊張感のあるシーンもそこまで手に汗握るような感じじゃ無いですし、ラストも矢鱈と唐突でアッサリしてるせいでサスペンスとしては物足りなさがあったのは残念なところかなぁ?
作品のテーマや雰囲気は良いと思うので、もうちょっとシナリオをシッカリと煮詰めてれば割と良い作品になったと思うんですが…
総評としましては、ツマんなくは無いんだけど『オススメするには弱いレベルのサスペンス映画』って感じですかね?
アイデアは悪く無いと思うのですが、演出にせよストーリーにせよアッサリしすぎなので『もうちょっとシッカリと作られてればなぁ…』って印象の作品でした。
気になるならば特に観るのを止める事はありませんが、個人的には『BSとかCSとかで放映されたらついでに観てみる程度でも良いかな?』ってぐらいの一本だと思いましたよ。