NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「エイリアン・インフェクション」(35点/サスペンス)

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■■■「エイリアン・インフェクション」■■■
(35点/サスペンス)

 アメリカの月面基地アークに流星群が直撃し、基地の機能が麻痺してしまうという事故が発生。
 ジェラルドらの4人のクルーは基地の機能を復旧し地上への救援要請を行うべく作業を開始するが、その最中に科学者のエヴァが基地に落下した隕石に付着した『胞子のような物質』を発見する。

 彼女は基地の復旧のかたわらで、医師のランスと共に謎の胞子の調査を開始するが、その際に指を負傷してしまい胞子を体の中に取り込んでしまう。

 その直後から身体に異常を感じた彼女は意識を失い目を覚ました際に自分の身体が妊娠したかのような状態になっている事に気付くが、彼女の体に入り込んだ物質は更に恐るべき速度で成長を続け…



 月面基地に侵入した謎の生命体と基地のクルーの戦いを描いた、パニック映画風味のサバイバルホラー映画。

 いわゆる「物体X」とか「ボディスナッチャー」系の『乗っ取り型エイリアン』を題材にしたホラー映画なのですが、なんというか物凄く地味な映画です。

 何が地味ってとにかく『お話のスケールが小さい』という事。

 メインの登場人物が全部で4人ぐらいしか居ない基地で『肉体乗っ取り』とかやられても、そもそも乗っ取る相手が居ないんだから盛り上がりようがありません。

 お話としては『女性の体に侵入したエイリアンが物凄い勢いで成長し高度な知能を付けて、人間に成り代わって月面基地から地上へと脱出しようとする』って感じの展開なのですが、冒頭の流星群の衝突で月面基地が大ダメージを受けており壊滅寸前の状態なので、単純なモンスター映画ではなくて基地からの脱出を描いたパニック映画的な要素もある作品といった感じですね。

 モンスター要素に加えてパニック要素もあるので、お話そのものはそこそこテンポも良くて、観てて途中で退屈しない作りにはなっているのは良い部分です。

 パニック要素の方は、脱出までの制限時間があったり一酸化炭素に中毒による幻覚症状があったりと、色々と障害が多くてパニック映画としてはそこそこ観れる内容なのですが、逆にモンスター映画としてみるとどうにも微妙な部分が多い…ってのが正直なところ。

 一応、モンスターは主人公たちの目に付かないところで暗躍してるみたいな設定なのですが、肝心のモンスターが殆ど画面に登場せずに、また登場シーンでも『人間に化けてるだけ』なので、見た目だけでは何の面白いところも無いのが辛いです。

 そもそも『乗っ取り系』の作品ってのは誰がモンスターか分からないってシチュエーションが面白いのであって、4人しか居ない月面基地で他の人間を乗っ取ってなりすましても、全く意味が無いと思うのですが、何でこんな設定にしてしまったのか…

 ラストのオチも投げっぱなしみたいな終わり方だし、ぶっちゃけ乗っ取り設定が全く活かされ無いのであれば、普通に『知能の低い凶暴なモンスター』にしておいた方が緊張感があって良かったんじゃないかなぁ?


 総評としましては、観れなくはない内容ながらも『モンスター映画として観ると微妙としか言いようが無いような作品』って感じですね。

 ぶっちゃけ、そこまで観るべき要素も無いような作品ですし、エイリアンものとして期待してみると肩透かしも良いところなので、あんまりオススメは出来ないかなぁ?

 まあ個人的に期待はずれだっただけで、そこまで底辺映画って訳では無いですので、気になるというのであればお好みで…