NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ヴァンパイア・アカデミー」(60点/ファンタジー)

イメージ 1

■■■「ヴァンパイア・アカデミー」■■■
(60点/ファンタジー

 現代のヴァンパイアたちの世界では、穏健なバンパイアのモロイ族と凶暴なストリゴイ族が対立。

 両者の間で永らくの争いが続いた事から、モロイ族と吸血鬼と人間とのハーフである『ダンピール』たちは、子供たちの身を守るためにヴァンパイア・アカデミーを設立し、教育や戦い方の訓練を行っていた。

 モロイ族の王族の一人で親友でもあるリサの護衛(ガーディアン)でダンピールのローズは、彼女の身辺を警護しつつ学園に通っていたが、そんなある日、リサの身の回りで執拗な『嫌がらせ』が行われるようになる。

 最初は、王族であるリサの事を良く思っていない派閥の人間の仕業だと考えていた彼女たちだったが、嫌がらせが徐々にエスカレートしていった事から友人たちとともに身辺を探り始めたところ、彼らはリサに隠された『特殊な力』の秘密を知る事となってゆき…



 穏健な吸血鬼とダンピールたちが通う学園で巻き起こる事件と陰謀に巻き込まれる主人公たちの活躍を描いた、ファンタジーアクション映画。

 同名の海外のファンタジー系のライトノベルを原作とした映画のようで、簡単に言ってしまえば『吸血鬼』という設定で『ハリー・ポッター』みたいな世界を描いたお話ですね。
 (主人公が高校生という設定なので恋愛要素とかが強めで、ハリポタよりは『ティーン向けのタイトノベル』ってテイストが強い感じ?)

 TSUTAYA専用のレンタル商品ですが、ビデオストレートものらしく低予算でなんともB級テイストの漂う感じの作品です。

 お話としては『吸血鬼の学園に通う生徒たちが学園で巻き起こるトラブルや陰謀に巻き込まれていく』みたいな感じの内容なのですが、主人公にいわくつきの過去があったり、ヒロインが他のヴァンパイアには無い特殊な能力を持ってたりと、良くも悪くもコテコテな感じのヒロイックな設定。

 また世界観として、魔法が使える『モロイ族』と、身体能力に長けてモロイ族を守る『ダンピール』、凶暴で不死身だけど殆ど理性を持たない『ストリゴイ族』の3つの種族の争いを軸に描いていたりと、いかにもエンターテイメント向けな作りこみがされています。

 ただ前述のように世界観やキャラクターがシッカリと描かれているのは良いのですが、もともと相当なボリュームの作品を無理矢理に2時間の映画にまとめたような感じで、お話がとにかく駆け足な印象。

 世界観が矢鱈と複雑な設定のうえに、結構な人数の登場人物やら派閥やらが登場するのですが、新たな設定が出てくる度に長々と説明セリフが入るせいで、どうにもせわしない感じがします。

 また世界観やキャラクターの説明が多いせいて、ボーっと観てるとお話に付いていけなくなってしまうので、割とずっと集中して観ていないとならないので娯楽作品的なストーリーなのに無駄に疲れるのは困りものかな…

 お話自体はそこそこ面白いのですが、気楽に観れないせいであまり『楽しめた』って感じがしなかったので、もうちょっとスマートな描き方は出来なかったもんかなぁ?

 また低予算映画だけあって、特撮なんかはちょっとショボ目な印象なのも残念なところですね。
 まあ『B級ファンタジーもの』としては十分にお金がかかっているレベルではあるんですけど、ハリー・ポッター』みたいな壮大な世界観を描こうとしてる割には『ちょっと物足りないかなぁ…』という印象でしたよ。

 あと、思いっきり『続編に続く』みたいな終わり方をしてるんですが、この映画って『本国でも続編が製作されたかどうか怪しい雰囲気』(そもそも話題にもなってないので人気が出たかどうか怪しい…)なので、シリーズものとして期待して観るには厳しいものがあるかもしれません…


 総評としましては、B級ものとしては『普通に良く出来たアクションもののファンタジー映画』って感じの作品ですね。

 ちょっと詰め込み過ぎな感があるのと、そこまで印象に残るほどの特徴的な要素やキャラが無いので物足りない部分はありますが、まあ低予算な事を除けば全体的には『及第点』って印象の映画でした。

 とりあえず、ライトノベルっぽい『いかにもな設定』が苦手じゃなければ、サクッと観る分には十分に楽しめる作品だと思いますので、そういう世界観やノリが好きで気になるようであればチェックしておいても良いレベルの一本だと思いますよ。