NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ザ・アブノーマル」(35点/サスペンス)

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■■■「ザ・アブノーマル」■■■
(35点/サスペンス)

 エリート警官であるルイスは、ある日、車の運転の練習をしようとして閉鎖された裏道から森の中に入った3人のティーンエイジャーのうち、2人が死亡し1人が行方不明になるという事件の捜査を行う事になる。

 しかし、現場の側を調査中に古びた車と焼け焦げた死体を発見した彼は、10年前に今回の事件と同じような姉妹の行方不明事件が発生している事を知るが…



 ある警官が『森でのティーンエイジャーの行方不明事件』を捜査するうちに過去にその場所で起こった狂気に彩られた事件が明らかになっていくという、フィリピン製のサスペンスホラー映画。

 「ザ・アブノーマル」とかってタイトルからして、てっきり監禁ものっぽいサイコホラー映画を予想してたのですが、どちらかというとオカルト風味の強いサスペンス映画って感じの内容ですね。

 お話が3部構成となっており、現代(2008年)からスタートして、2部が1998年、3部が1988年という風に、徐々に過去にさかのぼっていく事で事件の全容が明らかになっていくという構成はなかなか面白いです。

 …が構成は面白いのですが、構成の面白さが映画そのものの面白さに繋がっているかと言われると、なんというか微妙なところなんですよね。

 最初の2部までが物凄く内容が薄いうえに、設定が良く分からないせいでお話に入り込めずにいま一つ盛り上がらないですし、それ以前に全体的にあんまり怖く無いのでハッキリ言って冗長でダルいんですよ。

 解決編に当たる3部はそこそこ面白いものの、単に『過去にこういう事件があったんだよ』みたいな感じで説明されてるだけなので、『ふーん、そうなんだ?』って程度で特に驚きも無いですし、どうにも盛り上がりに欠けます。

 せめて『過去の事件が現在の事件の解決の糸口になってる』みたいな謎解き要素のある構成なら面白かったと思うのですが、どちらかというと話を分かりにくくしているだけで、あまり特殊な構成にした効果が得られてないような気がしますよ。

 コレだったら、普通に『監禁もの』の2部をお話の中心にして1部の内容を『過去の回想シーン』みたいな感じにして、1部を後日談みたいな話にした方が素直で面白い作品になってたんじゃないかなぁ?

 ラストの展開も矢鱈と唐突で『なんのこっちゃ?』って感じですし、「ザ・アブノーマル」とかってタイトルの割には変態(アブノーマル)的な要素は全く無いですし(どっちかって言うとオカルト(パラノーマル)的な要素の方が強い)、何か全体的に色々と残念な感じ映画という印象でしたよ…


 総評としましては、凝った構成の割には『微妙な出来のオカルトサスペンス映画』って感じの作品ですねぇ。

 壊滅的にツマんない訳では無いものの、どうにも冗長で盛り上がりに欠ける内容ですので、よほど本作に興味を抱いているというのでも無ければあまりオススメはしません。

 まあ、フィリピン映画としは珍しいジャンルかもしれないので、そういう方面でチェックしてみたいという人なら観てみても良いんじゃないでしょうか?