■■■「ギャロウ・ウォーカー 煉獄の処刑人」■■■
(40点/アクション)
アメリカ西部開拓時代、『地獄の入口』があるという伝説がある砂漠のとある町。
ガンマンであるアマンは、恋人のスエーニョをレイプして殺した悪党のカンサ一味に復讐を果たすが、その後に自分自身も傷を負って倒れてしまう。
しかしシスターであったアマンの母は、彼を蘇らせるために地獄の王と『アマンの殺した人間が全てゾンビとなって蘇る』という呪いを受け入れてしまう。
かくしてアマンは彼の殺した悪党一味を再び抹殺するために戦いの計画を立て、旅の途中で知り合った一人の若者のガンマンを雇う事となるが…
呪いによってゾンビガンマンたちと戦う事となった一人の男の旅を描いた、西部劇風味のモンスター映画。
「ブレイド」のウェズリー・スナイプス主演によるガンアクション映画で、『蘇った悪党と戦う』という設定はありますが、あんまりオカルトとかゾンビテイストは感じられなくて、ファンタジー風味の入った普通のウェスタン風アクション映画という感じのお話ですね。
なんというか世界観の設定が難解な作品で、とにかく良く分からない映画という印象。
何が難解って、物凄く特殊な世界観のクセに『世界設定が説明されるのが残り20分ぐらいになってから』という作りなうえに、主人公が登場するのすら最初の20分ぐらい経過してからようやくという感じなので、序盤は本気で何をやってるのやらサッパリ分かりません。
あまりに訳が分からないし、なんとなくアメコミっぽいノリのお話なのでもしかして原作のアメコミでもある作品なのかと思いきや別にそういう訳でも無いようです。
まあ雰囲気映画的なノリにしたかったのかもしれませんが、それにしても娯楽作品でここまで分かり辛い構成にする必要はあったのかと…
またお話の分かり辛さは『そういうテイストの映画』だという事で許容したとしても、そもそも面白い作品かと言われると正直言って微妙なところ。
序盤の展開がお話が分かり辛いうえに特にコレといった見どころも無く、中盤までがとにかく冗長で盛り上がらないうえにアクションシーンは終盤にちょっとある程度。
主人公のキャラも薄くて魅力に欠けますし、むしろ悪役の方がキャラが立ってて好感が持てるレベルなのはいかがなものなのかと…
ゾンビ映画的な設定がされてる割にはゾンビ的な要素も殆ど無くて、ぶっちゃけ敵役が『普通の悪党』でも困らないような構成ですし、なんというか純粋に見どころの無い映画という感じです。
せっかくウェズリー・スナイプスが主演してるんだし、もっとアクションとかに気合の入ったカッコ良い作品に仕上げて欲しかったですよ…
総評としましては、色んな意味で『微妙という以外に無いような印象のアクション映画』という感じの作品です。
そこまで低予算という訳では無いので観るのに苦痛が伴うような作品では無いものの、 雰囲気映画としてもいま一歩だしアクション映画としても盛り上がりに欠けるしで、ぶっちゃけあんまり誉める要素が思いつきません。
ウェズリー・スナイプスのファンで、どうしても本作が気になっているというのであれば止めるほどではありませんが、そうでなければ特にオススメする要素も無いので『まあ、お好みで…』という感じの映画でした。