NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「エクソシスト・キルズ」(50点/アクション)

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■■■「エクソシスト・キルズ」■■■
(50点/アクション)

 幼い頃に殺人鬼に両親を殺され教会で育てられた孤児の若者ジェイソンは、ある日、育ての親であるディークマン神父から彼の育った教会にまつわる秘密を告げられる。

 それは、彼らの住む教会は実はハイテク兵器を用いて危険な悪魔たちと戦う『ザ・クロス』という秘密組織に所属しており、亡くなった彼の父もその組織の使徒だったという驚くべきものだった。

 ジェイソンは、現在この世界に怪奇現象が頻発しており、魔王ベルゼブブの復活が近づいている事から『血脈を活かして一緒に戦って欲しい』と教会から依頼されたものの、不慣れな戦いに嫌気がさした彼は戦いから逃げ出そうとするが…



 ハイテク兵器で武装したエクソシストたちが大魔王の復活を目論む悪魔たちと戦うという、アクション風味のオカルトホラー映画。

 「エクソシスト・キルズ」って、最初に聞いた時に『何か語呂の悪い変なタイトルだなぁ』と思ってたのですが、ダニー・トレホが出演している事をネタにした「マチェーテ・キルズ」をモジったタイトルなんですね。
 「マチェーテ・キルズ」が、そもそもそこまでヒットしたタイトルでも無いので、細かくて伝わり難いパクリというか…なんというか…

 ちなみにタイトルと同様に、予告やらパッケージとかの解説を見るといかにもダニー・トレホが主演のような印象を受けますが、実際には物凄いチョイ役で本編にはほんの数分程度しか出て来ないのでファンの人は要注意です。

 それはさておき映画の中身はといいますと、何と言うか『ハイテク武装したエクソシスト達が超兵器で悪魔を倒しまくるぜ、ヒャッハー!!』ってな感じの、ホントにそれだけの映画ですね。

 本作の最大の特徴としては、エクソシストたちの使う装備や武器のデザインがいちいちカッコ良い事で、無駄に変形ギミックを搭載して聖水と聖なる弾丸を発射する『対悪魔用ショットガン』みたいな武器とか、複数の刃物を発射する投げナイフとか、いかにも中二病的な『ボクの考えた最強エクソシスト兵器』みたいなノリの武器が色々と登場するのが、とにかく見ていて面白いのは良いです。

 …が、確かに主人公たちの武器やビジュアル的な見た目はカッコ良いんですが、ホントに『それだけの映画』という感じなんですよね。

 ストーリーも物凄い中二病が入った設定で、世界観が矢鱈と作りこまれているのですが、尺の短いところに無理矢理に話を詰め込んでいるせいで説明セリフが異常に多いうえに物凄く駆け足な展開で、なんか良く分からないうちに話が進んでいく印象。

 ただ駆け足で分かり難いと言いましたが、、お話そのものもヘボいライトノベルみたいな底の浅い感じの展開なので、ジックリとお話を理解できたからといってストーリーが面白くなるのかは微妙なところです。

 まあそんなお話でもイキオイがある内容ならそこそこ楽しめると思うのですが、戦う悪魔がどいつもこいつもショボいうえに物凄く弱くて、ひたすら主人公たちが『俺強ぇー!!』的な感じで悪魔をバンバン倒していくだけなので、ウリである筈のアクションシーンもあんまり盛り上がらないのは困りもの。

 ラスボスまでも何の盛り上がりも無いまま速攻で倒されてしまうので、マジで『悪魔側はもうちょっと頑張れよ!!』って感じの内容でしたよ。

 っていうか、主人公たちはまがりなりにもエクソシストなのに『悪魔に取り憑かれた人間は見つけ次第に射殺』みたいなノリで良いんかと…
 (一応、悪魔に取り込まれて救えない相手は殺すみたいな感じの設定のようですが、救おうとする努力とか微塵もしてないですしね。)

 あと、主人公たちの武器やらのデザインは結構気合が入ってるのに、悪魔側がどう見てもただの着ぐるみだったり、CGとかが物凄くショボくて画面から浮きまくりだったりするのも厳しい感じでしたよ。

 まあ『主人公たちをカッコ良く描く』という1点にリソースを集中させるというのは間違った判断では無かったのかもしれませんが、流石に他の要素がぞんざいすぎるので、もうちょっと他の部分もシッカリ作り込んで欲しかったですよ…


 総評としましては、ビジュアルの中二病的なカッコ良さはあるものの、それ以外の要素に関してはからっきしな『ビックリするほど中身の無い低予算映画』という感じでした。

 まあ中二病的なノリだけは楽しい映画ですので、そういうマンガ的なビジュアルやノリが好きな人ならばチェックしても良い作品かもしれません。

 …が、本気でそれ以外は見るべきところが全く無いので、マトモに映画の内容に期待して観ようという人は要注意といった感じの一本でしたよ。