■■■「殺人魚獣 ヘビッシュ」■■■
(45点/モンスター)
アメリカのルイジアナ州の片田舎で、遺伝子操作に失敗した雷魚を輸送中のトラックから雷魚が逃げ出して、運転手を食い殺して逃亡するという事故が発生。
その頃、元カノの結婚式に出席して傷心のクリスは、彼に気を利かせた友人たちと一緒に湿地帯にボート遊びに出かける事となる。
湿地帯で遊んでいる最中に溺れて漂流していた地元の漁師を助けた彼らは、漁師から『沼の中に居るヘビと魚をあわせたような怪物に襲われた』という話を聞かされるが、その直後に友人の一人がその怪物に襲われて食われてしまった上に怪物によってボートのスクリューを壊された事から、湿地帯で孤立する事になってしまい…
遺伝子操作で巨大化し凶暴化し湿地帯に逃げ出した雷魚が次々に人間を襲うという、モンスターパニック映画。
そもそもタイトルの『ヘビッシュ』ってなんぞやって感じなのですが、雷魚(スネークヘッド)が巨大化したモンスターという事で『ヘビ+魚(フィッシュ)』で『ヘビッシュ』という事のようですね。
なんというか直球ストレートな感じのタイトルの作品ではありますけど、もうちょっとマシなネーミングは無かったのかと…(笑)
(まあB級らしく分かりやすいタイトルなので好きですけどね。)
ちなみに売り文句として『「アナコンダ」シリーズの監督の新作』とかって書いてますが、シリーズの中でも低予算で超絶微妙だった3と4の監督だし、俺はそんな言葉には騙されないぞ!!って言う感じです。
(『分かってるなら最初から観るなよ』というツッコミは無しの方向で…)
とまれ最近は殺人魚ネタとして雷魚の巨大化ネタの作品も増えて来ましたが、本作も他の作品と同様に『コレという特徴の無い低予算B級モンスター映画』って感じの内容ですね。
お話としては『遺伝子操作に失敗して巨大化した雷魚が人間を襲う』という感じのお話ですが、低予算らしくとにかく『お金がかかってないなぁ…』という印象。
序盤~中盤にかけての怪物の登場シーンが『水面が泡立ってるだけ』とか『背ビレが見えてるだけ』みたいな場面が多く、襲われる場面も『水面が赤く染まるだけ』というようなイメージ映像みたいな展開が多くて、ちょっとイライラします。
後半になると『雷魚もののお約束』らしく、陸上に這い上がってきた雷魚がヘビのように身をくねらせながら追いかけてくるシーンもあったりと、そこそこ露出が増えて楽しませてはくれるのですが、怪物のデザインが30年ぐらい前のモンスター映画のようなノリでいま一つ迫力が感じられないんですよねぇ。
(まあレトロ感を狙ったデザインなのかもしれませんけど、実際の映像もショボいので単にセンスが微妙なだけにしか感じられないという…)
あと、作品の個性を出す事を狙ってか、怪物の出現を『死んだブードゥー魔術師の呪い』とかに絡めて、オカルト的な演出が入ったり魔術師っぽい狂言回しキャラが登場したりするのですが…
ぶっちゃけ、そこまで重要な役割でも無くて『こいつが居なくてもストーリー上で問題ないよね』って程度のお話への絡み方なので、特にお話が面白くなってる訳でも無いのは難点でしょう。
キャラクターの掘り下げも、割とどうでも良いような感じの話が多くて、全体的にどうにも中途半端で無駄な要素が多い印象。
そういう要素を省けば、低予算ながらもそこそこ及第点に観れるレベルになっている気がするので、むしろ色気を出して変な要素を入れようとせずにオーソドックスなモンスター映画として描いた方が良かったんじゃないかなぁ?
総評としましては、タイトルのインパクトの割には中身の方は普通というか『ちょっと微妙寄りの低予算モンスター映画』って感じの作品ですね。
『人食い雷魚』ってネタも既に目新しさが無いですし、特にコレといった見どころも無いので、あんまりオススメする要素は無いような印象。
まあ壊滅的にツマんない訳でも無いので、気になる人は『TVとかネット配信とかで放映されたタイミングにでもチェックしてみると良いかも?』って程度の一本だと思いますよ。