■■■「ストレイジ・ナンバー・サーティーン」■■■
(7点/モンスター)
大学生のケンドラは、友人のマイケルからの頼みで過去に窃盗団に盗まれてからシカゴのとある貸し倉庫の奥に隠されたままになっているという、『オンツメの魔石』古代の悪魔崇拝の魔石を友人と共に探しに行く事となる。
しかし、その場所は『76年前に魔石を盗難した窃盗犯のグループの全員が何者かによって体をバラバラに引き裂かれて惨殺される』という大量殺戮の起こった曰く付きの場所だった。
倉庫へと侵入したケンドラらは、倉庫の最下層の更に奥を目指して進み始めるが、彼らの他に倉庫に来ていた人々が次々と死体となって発見されていき…
過去に大量虐殺の原因となった『魔石』を探すために倉庫に侵入した学生たちが正体不明の怪物に襲われるという、モンスターパニック映画。
コレはなんと言いますか、久々に『ヤバいぐらいにツマんない映画』を引き当ててしまいましたよ…
マジにビックリするほどツマんなくて、何が酷いとか指摘するまでも無いような『どんなに頑張っても誉める要素が見当たらない』と言うような感じの、割と手に負えない感じの作品です。
まず最初の酷い部分として、物凄い低予算作品で『モンスター映画のクセに怪物が画面に全く登場しない』という事。
最初は出し惜しみしてるのかと思ってたのですが、マジで最初から最後まで一度たりとも怪物が画面にマトモに姿を現すシーンがありません。
少し前に別の映画で同じようなレビューを書いた事がある気がしますが、あの映画は『未確認生物(UMA)を探しに行く』という話だったので『怪物が登場しない事』にまだ意味があったのですが、本作は怪物の襲撃シーンはそこそこ描かれてるのに、襲撃シーンは『犠牲者が物陰に引きこまれて見えないところで殺されてる』みたいなパターンばっかりで、全ての襲撃シーンで怪物が全く画面に姿を現さないという徹底ぶり!!
ところどころのシーンで『触手』とかの『怪物のパーツ』は映るので、てっきりラストで怪物の全体像が出てくるのかと期待してたら、まさか最後まで『パーツ』しか映らないとは思いませんでしたよ…
っていうか、コレって絶対に予算が無くて怪物は『パーツ』しか作ってませんよね?
まあ特撮が手抜きでも、お話が面白かったり緊迫感がある展開だったりするならそこそこ楽しめると思うのですが、肝心のお話の方もビックリするぐらいにお粗末なんですよ…
凝った演出を狙ってなのか妙に時系列が入れ替わるような演出がされてたり、複数の登場人物の視点によるマルチサイト的な演出がされてたりするのですが、別にコレが効果的に使われてる訳でも無くて、ぶっちゃけると単に話が分かり難くなっているだけです。
そういう『凝った演出』みたいな書き方をすると、演出重視の高尚な雰囲気の作品のような印象を受けるかもしれませんが、そもそもお話をすべて理解できたところで緻密な設定や複雑なストーリーがある訳でもありそうにありません。
そもそも、主人公以外の殆どのマルチ視点のキャラは『単に怪物に殺されるだけの要員』でしか無くて、キャラのバックボーンがストーリーに絡んでくる訳でもありませんので、単に監督の自己満足を満たすためだけの演出以外の何者でも無いと思われます。
というか割とマジで、登場人物がゴチャゴチャしすぎなうえにどのキャラもたいしてキャラが立ってないせいで、自分は終盤まで本作が『誰が主人公でどういうストーリーなのか』が良くわかりませんでしたよ…
でも終盤になると、どうでも良い登場人物の殆どが怪物に殺されて『メインのストーリーに関わるキャラ』以外は残らなくなるので、ある意味で分かりやすくて安心な展開でしたけどね。(笑)
まあ自分が本作のストーリーが良くわからなかった理由としては、話が無駄に難解な以上に、あまりにもツマんなくて『途中で3回ぐらい寝落ちしてしまった』ってせいもあるんですが…
総評としましては、って総評をする間でも無いぐらいにケチョンケチョンに書いてますが、久々に『掛け値なしに酷い映画』と言えるレベルの作品でしたよ。
どうしても『人生の90分を出来るだけ無駄に浪費したい』というような特殊な事情でもあるのであれば本作を観るのもやぶさかでは無いと思われますが、そうでなければ世の中にはもっと有意義な90分の使い方…たとえば『昼寝をする』とかってのがあると思います。
本気でネタにもならないレベルで『どうしようもないぐらいにツマんない映画』でしたので、割とマジにZ級映画好きでもオススメ出来ないレベルの作品だと思いますよ…