NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「メガ・スパイダー」(65点/モンスター:結構オススメ)

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■■■「メガ・スパイダー」■■■
(65点/モンスター:結構オススメ)

 害虫駆除業者のアレックスは、ある日、毒グモに腕を噛まれてしまった事から治療の為に病院を訪れるが、治療を終えて帰ろうとした矢先に病院の地下の死体安置所に犬ほどもある巨大なクモが出現するという騒ぎが発生した事から、治療費の支払いの代わりにクモ退治を引き受ける事となる。

 アレックスは地下室でクモを追い詰めるものの、すんでの所で下水道へと逃げられてしまうが、彼がクモを探している間に『危険な生物が侵入した』という理由で軍隊によって病院は閉鎖。

 釈然としないものを感じながらも病院から引き上げようとする彼だったが、お調子者の警備員のホセから『巨大グモを退治して害虫駆除業者としてのハクを付けよう』とそそのかされた事から巨大グモの追跡を開始。

 しかし、彼らの追跡しようとしていた巨大グモは実は『エイリアンとクモの遺伝子を組み合わせて生み出されたモンスター』で…



 エイリアンとクモの遺伝子を組み合わせて生み出された巨大グモと害虫駆除業者が対決するという、ちょっとだけコメディ風味のモンスターパニック映画。

 なんの捻りも無いタイトルに加えて話題にもなっていない作品なので特に期待をせずに観てみたのですが、これがなかなか意外にシッカリと作られた良作B級モンスター映画でした。
 (いや、予算とか特撮レベルを考えるとC級ぐらいの作品かも?)

 お話としては『軍が遺伝子操作で作り出した巨大クモ型モンスターが逃げ出して人間を襲い始め、お人よしの害虫駆除業者がなりゆきでモンスターと戦う事になる』というタイトルと同様になんの捻りもないような設定なのですが、とにかく王道となる『モンスター映画のツボを押さえてシッカリと作られた作品』という感じですね。

 名作と呼べるようなレベルではないものの、お話のテンポも良くてモンスターの出番や見せ場も多めで登場人物のキャラも良く立っており、非常に『モンスター映画として過不足のないレベルで良く出来ている』という印象です。

 モンスターのデザインなんかも、いかにもゲームとかの敵キャラで登場するような『どこかで見たようなデザイン』なのですがセンスは悪く無いですし、CG合成とかに若干チャチな部分はあるものの、低予算映画にしてはCGや特撮はかなり頑張ってる感じなのが好感触。

 また、モンスターが見せ場となるシーンで『公園でビキニのお姉ちゃんたちを襲ったり』とか『軍隊と銃撃してくる軍隊に対して足を槍のように振り回して大立ち回りを繰り広げたり』とか、モンスター映画のお約束をシッカリと踏襲している辺りも『この監督は分かってるなぁ』って雰囲気で良い感じです。

 他にもトロマ映画のロイド・カウフマンがカメオ出演していたりと、『B級モンスター映画が大好きな監督が趣味で作ったんだなぁ』と感じさせてニヤリとさせてくれます。

 ただ全体的に良い出来ではあるのですが難点を挙げるしたら、お話のテンポは良いもののストーリーが起伏に乏しいせいで、中盤以降はずっと『モンスターと追いかけっこしてるばっかり』みたいなシーンが多くて、ちょっと冗長に感じる部分があるところかなぁ?

 また終盤までの主人公に全く見せ場が無いせいで『口先ばかりで役立たず』のように見えてしまって、いま一つキャラに感情移入しきれずにお話に入り込みきれなかったのも残念なところ…

 あとはお約束を踏襲して無難にまとまりすぎているせいで『本作ならではの個性』のようなものが乏しくて、ちょっとインパクトに欠ける辺りも惜しい部分ではあるかも?
 (欲を言えばモンスターにもうちょっと個性があっても良かったかも…)

 でもまあ不満点もあるものの、概ね良く出来ている部分が多いですしラストの展開とかも熱くて良かったので、全体的には割と満足のゆくレベルの作品ではありましたよ。


 総評としましては、強烈なインパクトとか個性は無いものの『普通に良く出来た佳作レベルのB級モンスター映画』といった感じの作品ですね。

 良く言えば『王道』で悪く言えば『平凡』な感じの映画ではありますが、モンスターパニック映画が好きな人であれば間違いなく楽しめるレベルの一本だと思います。

 特に話題にもなっていないですが思いの他に良く出来た作品でしたので、そういう方面の作品が好きであればチェックしておいて損は無いんじゃないでしょうか。