NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ジュラシック・シティ」(45点/モンスター)

イメージ 1

■■■「ジュラシック・シティ」■■■
(45点/モンスター)

 ロサンゼルスのとある刑務所では、軍による遺伝子操作で恐竜を復活させるという実験が極秘裏に行われていたが、ある日、恐竜が独房から逃げ出して施設の人間を襲うという事件が発生。

 施設の安全性に疑問を感じた司令部は、3匹の恐竜を『エルクウッド拘置施設』という別の拘置所へと移送する事を計画する。

 しかし、移送中のアクシデントからトラックから拘置施設の地下室に恐竜が逃げ出してしまい、拘置所の職員や囚人達を次々と襲い始めてしまう。

 なんとか生き残った職員と囚人たちは、力を合わせて恐竜の徘徊する拘置所からの脱出を試みるが…



 軍の再生させた恐竜が拘置施設に解き放たれてしまい、囚人や職員たちが力を合わせて拘置所から脱出しようとするという、サバイバルホラー風味のモンスター映画。

 このタイトルを聞いた時に『あれ、この映画って過去に観た記憶があるような…』と感じたので少し調べてみたところ、2001年にロジャー・コーマン製作で同名のタイトル(邦題)の映画がリリースされているんですね。
 (ちなみに2001年版の内容に関しては、『本編にたいして関係ないセックスシーンが無意味に10分ぐらいあった』という事ぐらいしか覚えていません…)

 当然ながら『タイトルが同じ』というだけで両作品には全く繋がりは無しで、2001年版はコーマン監督らしい超低予算のZ級レベルの作品でしたが、本作の方はというとこれまたたいして面白いわけでも無い『D級ぐらいのレベルの普通の低予算モンスター映画』という感じです。

 お話としては拘置所の地下に軍の移送中の恐竜が解き放たれてしまい、職員や囚人たちが拘置所から脱出を目指す』という感じのお話なのですが、なんというか『なんか地味なお話』というのが正直なところですね。

 「ジュラシック・シティ」なんてタイトルが付いている割には、メインとなるのは拘置所という閉鎖環境の中で、登場人物も数名程度で出てくる恐竜もラプトル3匹のみという数の少なさで、なんというか『騙されたような気分』が否定できない内容です。
 (一応、ラストで他の恐竜もちょっただけ出てくるのですが、ホントに顔見せレベルなので…)

 恐竜のCGの出来はそこまで酷くは無いものの、低予算らしく合成に違和感があるのと1種類のCGモデルを使いまわしているだけで面白味が無いのでどうにも観ていて退屈な印象。

 まあでも低予算映画にしては恐竜と人間との直接の絡みのシーンが多いのはそこそこ頑張っている感じではあるんですが、襲撃シーンや戦闘シーンがホントにワンパターンで淡々としてて面白味に欠けるのが辛いです。

 製作側も恐竜3匹だけでは流石に間がもたないと考えたのか、拘置所の中にたまたま『移送前の凶悪連続殺人犯』が居たりするのですが…
 このキャラも設定の割にはたいして凶悪な事をする訳でもなくて、むしろ主人公たちの『アホな若者たち』とかよりも常識人っぽいふるまいをするので、何だか地味で特に盛り上がる要素にもならずに『いったい何のためのキャラ付けなんだ?』という感じ…
 (終盤で一応は凶悪犯っぽいふるまいはしますけど…)

 軍の『恐竜退治の専門家』みたいな人も殆ど出番が無いですし、なんか全体的に盛り上がるシーンが少なすぎで、どうにも『記憶に残らない作品』という印象が強いです。

 ラストの展開とオチは「ジュラシック・シティ」というタイトルに相応しい感じでちょっとだけ派手で面白かったですが、それ以外にももう少し盛り上がる要素が欲しかったというのが正直なところですよ…


 総評としましては、そこまで酷い出来ではないものの『低予算で盛り上がりに欠けるモンスター映画』ってのが正直な感想ですね。

 『低予算の割には頑張ってるなぁ』と感じる部分も少なからずあるのですが、頑張ってる要素があんまり本編の面白さに繋がってないんですよね。

 ただ『頑張ってる部分』のお陰で、パッケージとかだけ見ると割と予算のかかってそうな作品のように見えるので、そういう意味では騙されないように注意が必要な作品かもしれませんよ。