NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「モーガン・ブラザーズ」(60点/スラッシャー:結構オススメ)

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■■■「モーガン・ブラザーズ」■■■
(60点/スラッシャー:結構オススメ)

 オーストラリアの片田舎で『モーガン・オーガニック』という有機肥料工場を営むモーガン兄弟は、事故で死んだ人間の死体を秘密の原料として肥料を作る事で好評を博していた。

 そんなある日、兄弟の弟のレジは事故死したドライバーを荷台に積んでの輸送中に車が故障して立ち往生している3人の若者のハイカーたちを街までおくってやる事となる。

 しかし移動中に若者の一人が荷台に隠されていた死体を発見。
 彼らの秘密を知ってしまった事から、兄弟によって肥料工場に監禁されてしまう事となり…



 『人間の死体を原料として肥料を作る兄弟』によって捕らえられた若者たちの体験する恐怖を描いた、スラッシャーホラー映画。

 ホラー映画系の映画祭として有名なシッチェス映画祭で高い評価を得た作品という事ですが、評価の通りになかなかブラックでパンチの効いたコメディホラー映画という感じの作品ですね。

 『人間の死体を原料に肥料を作る兄弟が、運搬している死体を若者たちに見られた事から殺人鬼と勘違いされて…』という感じのお話なのですが、単純な『サイコパスの殺人鬼兄弟』というありがちな設定じゃなくて『田舎ものの兄弟がなし崩しに殺人鬼に仕立て上げられていく』みたいな感じの展開は捻りが効いていて面白いです。

 お話のノリとしてはコメディ風味のホラー映画という感じなのですが、コメディをベースにしたお話のプロットがなかなか良く出来ていて、コメディ故にお話がどう転ぶかの先の展開が読みづらく最後まで誰が生き残るのか予想がつかないのは良い感じ。

 また要所要所に仕込まれるブラックなネタも良い味を出してて、残虐シーンとのコンビネーションでなかなか笑わせてくれます。

 殺人鬼の兄弟のキャラの『ちょっと頭が弱くてお人よしな弟』と『冷酷で合理主義者の兄』という対比も、いかにも「悪魔のいけにえ」的なスラッシャーホラーをパロっている感じで面白いですし、この個性的な兄弟のやりとりから思いがけない方向に話が転がっていくのも予想外で良かったです。

 ただ人間をミンチにしたりとグロ描写はそこそこ強めなものの、登場人物が全体的に少な目なせいもあって残虐シーンにちょっとボリューム的な物足りなさがあるのは残念なところですかね…

 また中盤辺りがややダラけてしまった印象があったので、全体的に『もうちょっと見せ場があっても良かったかなぁ?』ってのが正直なところでしょう。

 まあ物足りない要素もあるものの全体的に楽しめた部分も多かったですし、ラストの展開もなかなか捻りが効いたオチで楽しかったですよ。


 総評としましては、『小粒ながらもなかなか良い味を出したB級スラッシャーホラー映画』って感じの作品ですね。

 ブラックなコメディ風味のゴア映画という事で『ちょっと観る人を選ぶ作品』かもしれませんが、そういうジャンルが好きであれば間違いなくチェックしておいて損は無い一本だと言えるでしょう。

 ホラーとしてはそこまで強烈なインパクトは無いものの、お気楽な感じで軽く観れるスラッシャーホラーとして割とオススメできる映画だと思いますよ。