NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「NY心霊捜査官」(55点/オカルト)

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■■■「NY心霊捜査官」■■■
(55点/オカルト)

 ニューヨーク市警の刑事であるラルフは、ある日、妻へ酷い暴力を行ったDV夫と、我が子を動物園のライオンの檻に投げ入れた女とを続けて逮捕する。

 更に翌日に、彼はとある民家の地下室で塗装会社の職員の死体を発見するが、事件の調査を進めていくうちに全く関わりの無さそうな3つの事件の全てが、イラク帰還兵のサンティンという男に繋がって居る事を発見。

 3つの事件の犯人や犠牲者がともに精神に異常をきたしたような状態だった事に奇妙なものを感じていたところ、犯人の後見人と名乗るイエズス会のメンドーサ神父から『今回の事件は悪霊の仕業だ』という驚くべき話を聞かされ…



 NYの刑事が常軌を逸した奇妙な傷害事件を追ううちに古代の『悪魔』と対峙する事になるという、オカルトホラー映画。

 タイトルからして、ESPとか心霊とかを元に事件を調査していくようなサスペンスホラー的なノリの作品かと思っていたのですが、どっちかって言うといわゆる『悪魔祓いもの』を題材にしたオカルト映画で、『心霊捜査官』というよりも『悪魔祓い捜査官』という方がシックリ来るような内容でしたよ。

 お話に関しては、導入部分のお話のもって行き方や謎の提示の仕方は非常に面白くて序盤の展開は割と引きこまれる感じ…
 世界観のアイデアや設定はなかなか面白いですし、雰囲気なんかも割と良い感じだったりと悪く無い部分も多いのです。

 ただ『心霊捜査官』ってタイトルから分かるとおり、サスペンス的な要素を強く押し出している割にはサスペンス部分の緊張感が無くてサスペンスとしてはイマイチなんですよね。

 特に中盤以降がなかなかお話が前に進まないうえに、大した事件が起こらないのでどうにも冗長な印象。
 尺が2時間弱と長めなのに加えて、妙に持って回ったような説明的なセリフが多めでダラダラとした展開が多いのも冗長さに拍車をかけている感じ…

 いわくあり気に語られた主人公の家族の話や神父の過去の話もそこまで強く本編に関わってくる訳でも無いですし、どうにも中途半端な要素が多いです。

 でも不満点ばかりという訳では無く、終盤の悪魔祓いのシーンとかは迫力があって良い感じでしたし観るべき部分もそれなりにはあるんですよね。

 なんか尺の長さとかからして、色々と詰みすぎて消化不良になってしまったような感があるので、もうちょっとテーマを絞ってテンポ良い感じに作られてた方が良かったんじゃないかなぁ?


 総評としましては、内容的には及第点なのですが物足りなさを感じる部分も多いという『全体的にちょっと惜しい感じのオカルト映画』って感じの作品でした。

 そこそこ観るべき要素もある作品ですので、気になるのであれば観るのを止める事はしませんが、期待してる方向性やノリによっては肩透かしを食らわせられるかも?

 なんというか、『タイトルとか設定は面白そうなのに中身の方は凡庸』という、悪い意味での『いつものソニーピクチャーズらしいホラー映画』って感じの一本でしたよ…(ソニピク系のホラーって何でこういうノリの作品が多いんだろう…マジで不思議なんだけど…)