NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「キラーファング・アタック」(8点/モンスター)

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■■■「キラーファング・アタック」■■■
(8点/モンスター)

 カリフォルニア州の東南部の田舎町で、湖にバカンスに訪れていたボート遊びの若者たちが謎の生物に襲われて命を落とすという事件が発生。

 過去にこの町の出身だったビクトリアは、湖で魚の大量死事件の調査のために町へと訪れるが、地元の少女から『この湖には30年に一度、地元の住人を生贄に差し出さないとヘビのような怪物が出現して大暴れをはじめる』という伝説がある事を知らされる。

 最初は話の内容に半信半疑な彼女だったが、高校時代のクラスメートだったキアに再開した事から、この地元の恐るべき風習に関わる事となってしまい…



 アメリカの片田舎の湖の町で30年に一度出没する巨大なヘビのような怪物の恐怖を描いた、モンスターホラー映画。

 うーん、これはなんというか、久々に酷い映画を引き当ててしまいました。
 今月はモンスターホラーが不作だったので、パッケージの時点で『ヤバそう』と思いつつも試しにレンタルしてみたのですが、コレが思った以上に酷い作品でしたよ。

 何が酷いって色々と酷い要素はあるのですが、何よりも酷いのは『モンスター映画なのにモンスターが全く登場しない』という事。

 パッケージには『巨大なヤツメウナギっぽい絵が描かれているのですが、コイツが全く画面に姿を見せません。

 まあB級映画だと、モンスターが(予算の都合で)殆ど登場しない作品なんて良くある話で、そういう映画でも終盤とかクライマックスとかでは怪物がシッカリと登場する場合が多いのですが、本作はホントに徹底して画面に姿を見せないのですよ。

 序盤のモンスターが若者たちを襲撃するシーンでも、メインは襲われた人間がもがいて暴れた後に水中に引きこまれるという感じで、モンスターの姿が見える場面では赤く血に染まった水中に『細長い影』っぽいのがチラチラと見える程度。

 まあでも『最初の襲撃シーンだし、もったいぶってこんなもんだよね?』と思いつつ見ていたら、まさかマトモなモンスターの襲撃シーンがこの『序盤の1回きり』だとは思いもよりませんでしたよ!!

 他にモンスターが目撃されるシーンで、写真にモンスターが撮られるシーンでは『細長い影』とか『牙のアップ』とかのみですし、ヒロインの生物学者がモンスターを発見するシーンでは『ヒロインが双眼鏡でモンスターを目撃した後にビックリして双眼鏡を下ろす』という映像のみという徹底ぶり。

 細かい襲撃シーンを入れても、モンスターの登場するのは全編で5分ぐらいという尺の少なさですし、高等な焦らしプレイだとしても限度がありますよ!!

 モンスター映画なのにモンスターの出てないシーンは何をやってるかと言いますと、過去に故郷を離れたヒロインと残された父親の再開劇という三文芝居で、コレがまた全く面白くない。

 加えて場面の切り替わりとか時系列の説明がいまひとつヘタなせいで、お話がどうにも分かりづらいのも困りものです。

 あとヒロインと一緒に『怪物に襲われた若者の生き残り』という女性が登場するのですが、この女性がヒロインと同じような背格好で同じような黒髪なので『日本人は外人の顔の見分けが良く付かんのじゃー!!』ってのの典型的な感じで、途中でちょっと混乱してしまいましたよ。
 (まあ、いつぞやに観た『登場人物が全員ハゲのオヤジ』って映画よりは混乱しなかったですけど…)

 もう一人の主人公っぽい『モンスターのせいで過去にトラウマを持った軍隊帰りの男』も単なる悪役のかませ犬みたいな感じで、何の役にもたたないですし、なんだかなぁ…という印象。

 また、モンスターに関しての『町の住人の1人を生贄に差し出したらおとなしくなるけど、差し出さなかったら湖じゅうの生き物を全て食い殺す』って設定も全く意味が分かりません。

 『太古から生きる伝説の祟り神』とかってんならともかく『貯水用の人造湖の底から現れた巨大ヤツメウナギ』という何のバックボーンも持たない生物の分際で、何でそんな良くわからん設定を持っているのか全く説得力がありませんよ。
 だいたい過去からの伝承も何も無いのに、誰が『30年に一度、町の住人を生贄に与える』って法則を発見したんだよ…って言う。

 とまあ、ツッコミを入れ始めるとキリが無いぐらいに酷い内容ですが、ここまでツッコミどころが多いクセに、特に『純粋にツマんない』というだけで『酷すぎてネタとして笑える』ような要素も無いのが、本作の一番手に負えない部分ではないかと…


 総評としましては、普通に『ビックリする程つまんないモンスター映画』としか言いようが無いような作品です。

 ネタとして楽しめる要素も特に無いですし、お話も冗長で分かりづらいクセに特に面白くも無いという三重苦みたいな内容ですし、ホントにオススメ出来るような要素がありません。

 頑張って誉めるとしたら、序盤の導入部分の雰囲気は割と良くて最初だけは『ちょっと期待できるかも?』と思わせる部分かなぁ?(15分ぐらいで裏切られますけど…)

 まあツッコミ要素は満載ですので、何かツマんない映画を観て『ツッコミ的なネタレビューの材料にしたい』というのであれば観てみても良いかもしれませんが、ネタ要素も弱いのでそれすらもオススメするには辛い一本でしたよ…