■■■「ハネムーン」■■■
(60点/サスペンス)
新婚夫婦のポールとビーは、妻の生まれ故郷の近くにある人里離れた森の中の別荘でハネムーンを過ごす事となる。
楽しく時間を過ごす彼らだったが、到着した日の夜に目覚まし時計の不調で深夜に目を覚ましたポールは、裸で森の中をさまよい歩く妻の姿を発見。
彼女から『実は夢遊病だった』という告白を受けたポールはひとまずは納得するが、その翌日から彼女の様子がおかしくなり、彼女が別人になってしまったような違和感を感じる。
最初は『妻が生まれ故郷で再開した旧友と浮気しているのでは無いか』と疑ったポールだったが、徐々に妻に感じる違和感は大きくなっていき、やがて妻の身にもっと何か『邪悪な事』が起こっているのではないかと考えるようになり…
新婚旅行に訪れた夫婦の妻が『何者か』に入れ替わってしまうという恐怖を描いた、サスペンスホラー映画。
謎解きがメインのサスペンス形式の映画のため、あまり内容に触れるとネタバレになってしまうため詳しくは語りませんが、あんまり見かけないタイプの面白いサスペンスホラー映画でした。
『妻が実は別人になってしまったのでは?』という疑惑をメインとした、いわゆる『乗っ取りタイプ』のホラーなのですが、キャラクターの立て方とか雰囲気作りが非常に良く出来ており、なかなか面白い作品になっています。
特に『謎の提示の仕方』が非常に良く出来ており、『彼女の身に何が起こったのか』の真相やら先の展開やらがなかなか予想できない作りになっているのは上手いですね。
この前半の謎の提示での『先の読めなさ』が上手く効いており、サイコサスペンス的な何かなのか、はたまた超自然的な何かなのか…という部分がなかなか予想できないお陰で、終盤の謎解きプロセスが非常に盛り上がる作りになっているのは非常に良い感じ。
ただ、お話の構成も殆ど無駄が無くて雰囲気作りとかも上手いのですが、中盤まではそこまで目立った大きい事件は起こらないため、どうにも冗長さを感じる部分はあるかもしれません。
実際、低予算映画で派手さとかは全く無いような内容なので、人によってはちょっと退屈に思ってしまうかも?
あとオチに関してもちょっと投げっぱなしな印象があったので、もうちょっとスッキリとするかインパクトのあるようなオチの方が良かったかなぁ?
総評としましては、小粒で低予算ながらも『なかなか良く出来た構成の佳作サスペンスホラー映画』という感じの作品ですね。
他にはあまり無いタイプの作品でしたので、ちょっとテイストの変わったサスペンスホラー映画とかを求めているのであれば、なかなか面白い感じの一本だと思います。
ただ全般的に良く出来てはいるのですが、低予算ゆえに派手さとかは全く無いですし衝撃度とかもそこまで高くは無い作品ですので、過剰な期待をすると肩透かしを食らわされるかもしれないので要注意ですよ…