NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ファインダーズ・キーパーズ」(55点/サスペンス)

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■■■「ファインダーズ・キーパーズ」■■■
(55点/サスペンス)

 夫のジョナサンと離婚する事になったアリソンは、幼い娘のクレアと共に田舎町にある古びた屋敷へと引っ越してくる事となる。

 引越し先で発見した『リリス』という名前の書かれた古いアメリカ人形を気に入ったクレアは、人形に頻繁に話しかけるようになるが、同時に引きこもりがちになってしまう。

 最初は離婚のショックで娘がおかしくなってしまったのだと考えていたアリソンだったが、偶然にもこの家が5年前に『幼い息子によって一家全員が惨殺される』という恐るべき事件があった場所で、その少年が可愛がっていた人形こそが娘の持っている人形だという事を知るが、その頃から一家の周りで奇妙な殺人事件が頻発するようになり…



 子供を操る力を持った『呪いの人形』によって引き起こされる連続殺人の恐怖を描いた、オカルトホラー映画。

 低予算のSF&ホラーシリーズでお馴染みのSyfyチャンネルによる映画で、パッケージとかをビデオ屋とかであまり見た事が無いと思いきやオンラインレンタル専用の作品のようです。

 前のオンラインレンタル専用タイトルも同じようなSyfyチャンネルの作品だった気がするのですが、なんかこういうニッチ過ぎる訳でも無い微妙なタイトルをオンライン専用にするメリットってあるのかしらん?

 映画としては、いわゆる『呪いの人形』系のオカルトサスペンス映画なのですが、まあなんと言うか典型的な低予算オカルト映画って感じの内容ですねぇ。

 お話としましては、サスペンス的な要素が強めで謎解き要素が割とシッカリと作られている印象。

 『殺人を犯しているのは人形なのか人形に操られた子供なのか?』って感じのミスリード演出とかが上手く仕込まれており、なかなか先の展開が読めないのは面白いです。

 ただその演出のせいで、襲撃シーンで『襲撃者がずっとフレームアウトしたまま』で、次のカットでは被害者が殺されてるみたいな展開が物凄く多くて画面に見えないところで勝手に死んでるだけなので、とにかく殺人シーンに迫力が無いのは困りものです。

 殺害方法もあんまり芸が無くて、割と大量に犠牲者が出る割にはいまひとつ盛り上がりません。

 でも中盤以降の謎解きからの展開は割と面白いですし、『人形を傷付けると操られている子供も傷つく』という厄介な特徴やら設定やらの良く出来ている部分も多くて、お話のプロットはなかなか良く練られています。

 しかし凝った設定が多い割には矢鱈と説明不足で唐突な展開も多くて、『もう一息、シナリオをしっかりと練りこんでればもっと面白くなったんじゃないか?』と思えるのが残念なところでしょう…

 特に『呪い人形』の出自や正体が最後まで良く分からないまま終わってしまうのは、なんかモヤっとしましたよ。

 あとネタバレになってしまいますが、人形を退治した後にヒロインが旦那と再婚して、あんなに周りの人間が殺されまくっているのに『矢鱈と幸せそうなハッピーエンド』が描かれているのは流石に違和感がありました。
 人形を退治したら、エピローグとか無しでそのままエンディングでよかったんじゃないかと…


 総評としましては、低予算でツッコミどころも多いですが『悪くは無い程度の内容のオカルトホラー映画』って感じの作品ですね。

 そこそこ良い部分もあるのですが、同じぐらい練りこみ不足で微妙な要素や低予算で手抜きっぽい部分も多いので、まあ総じてちょっと微妙さを感じさせられる映画でしたよ…

 『呪いの人形』系の作品とかが好きで気になるならばチェックしてみても良いとは思いますが、オンライン配信専用タイトルなので試聴環境を整えてまで観るほどの作品かと言われると微妙なところではありますけどね。
 (オンライン専用タイトルですので値引き特典とかも殆ど無いですし…)