NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ドラキュラZERO」(60点/ファンタジー)

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■■■「ドラキュラZERO」■■■
(60点/ファンタジー

 15世紀のトランシルヴァニア
 かつてオスマン軍の兵士として勇猛さと残酷さで名を馳せたヴラドは、今は民衆と臣下から愛され尊敬される君主として国を治めていた。

 しかしヨーロッパ侵略を狙う大国オスマン帝国の皇帝メフメトは、トランシルヴァニアに1000人の少年と息子を兵士兼人質として差し出すことを要求。

 皇帝の無茶な要求に対して情状を求めるが、意見が聞き入れられなかった事から、圧制に抵抗するためにオスマン帝国の大軍勢と戦う事を決意した彼は、力を手に入れるために『牙の山』に伝わる伝説の『闇の力』と契約しようとするが…



 トランシルヴァニアのヴラド伯爵がオスマン帝国の圧制に対抗し戦うためにヴァンパイアとなるというドラキュラ誕生の
エピソード
を描いた、ダークファンタジー風味のアクション映画。

 以前の「ドラキュラNEO」とは違って、今回はホントに話題になった新作ですね。(笑)

 タイトルからし『もっとホラー寄りの内容なのかな?』と思ってたのですが、どちらかというとファンタジー要素の強い作品で、ヒーローもののダークファンタジー映画って感じの内容でした。

 ヴラド伯爵がたった一人でオスマン帝国の大軍勢とと戦うために、伝説の魔物と契約して超パワーを手に入れるが、その代償として吸血鬼と化して血への渇望と戦うという、なんというか物凄く中二病テイストに溢れる感じの設定で、実際の中身の方もかなり中二病が入った感じの展開。

 ヴァンパイアと化したドラキュラ伯爵が、コウモリの大群を操り嵐を巻き起こし、コウモリに変身して瞬間移動しながら千人の兵士をバッタバッタとなぎ倒して大暴れするという、なんというか『ドラキュラ無双』みたいな感じの内容で、ドラキュラ伯爵の大暴れっぷりを観ているだけでそこそこ楽しめます。

 実際に本編の半分ぐらいはドラキュラ伯爵が大暴れしているだけみたいなノリで、『ドラキュラ伯爵、どんだけスーパーヒーローなんだよ』という感じ…

 そういうノリなので逆にストーリーらしいストーリーは殆ど無くて、一応『魔物になってしまった葛藤』なんかも描かれるのですが、戦いのシーンのノリノリっぷりを観ているといま一つ説得力が無いのは難点です。

 また『オスマン帝国の圧制』がそこまで深く描かれていないため、主人公がいきなり吸血鬼になる事を決意する下りにどうしても違和感を感じたのは自分だけですかね?
 もうちょっと皇帝の暴君っぷりをシッカリと描いて『ピンチに陥って仕方なく…』みたいな展開にしておいた方が良かった気がします。

 『牙の山』に居た魔物のバックボーンもいま一つ良く分からないですし、前述の皇帝の話も含めて『もうちょっと周辺キャラの掘り下げがあった方が、お話に深みが出て説得力があったんじゃないかなぁ…』と思いましたよ。

 あと、あの『取ってつけたようなラストシーン』は必要だったのかなぁ?
 まあ、あのシーンがあった方がワクワク感はありますけど、軽めの話が更に軽いノリになってしまってるような…


 総評としましては、ダークファンタジーもののアクション映画として観るなら『そこそこ迫力もあって楽しめる映画』って感じの作品ですね。

 とにかく派手な内容なので、ダークヒーローもののアクション映画とかが好きな人なら、割と普通に楽しめる一本だと言えるでしょう。

 逆にホラー的要素を期待していると『なんじゃコリャ?』って感じになってしまう恐れがありますので、『ドラキュラ無双』的なノリだと理解して観る分には良い作品だと思いますよ。