■■■「悪魔が棲む家666」■■■
(35点/オカルト)
厳格な戒律で知られるニュー・ベツレヘムにあるアーミッシュの宗教コミュニティで、1994年6月6日に6人の女の子が同時に誕生する。
彼らの預言では、それは悪魔の子の誕生の予兆だと伝えられていた事から、長老は子供たちを殺すべきだと提案するが、一人の女性が自分の娘を殺害して自殺してしまった事の衝撃から、予言は不問にされてしまう。
そして18年後。
5人の少女のうち2人が続けざまに殺害されるという事件が発生。
悪魔の子は18歳の誕生日に、他の5人の少女を犠牲にして覚醒すると言う言い伝えがあった事から、悪魔の子の誕生がウワサされるが、逆に少女の一人であるメアリーは彼女たちを亡き者にしようとする長老こそが連続殺人の犯人では無いかと考えるが…
厳格な戒律で知られる宗教コミュニティであるアーミッシュの中で6月6日に生まれた少女たちが次々と何者かに殺害されるという、オカルトサスペンス映画。
『悪魔が棲む家』なんてタイトルが付いていますが『幽霊屋敷もの』じゃ無くて『悪魔の子』を題材としたオカルト映画なので、どっちかというと「オーメン」の方がイメージ的には近い感じでしょうか?
なんでこんなタイトルにしたのか、ちょっと不明な印象の作品です。
また、いかにもオカルトっぽいタイトルですが中身の方はオカルト的な要素はそこまで強くなくて、どちらかというと『閉じられた異常なコミュニティ』における独裁とか集団心理とかの恐怖を描いた感じのサスペンス映画という感じ…
アメリカに実際に居る、禁欲的に中世のような暮らしている宗教コミュニティの『アーミッシュ』を題材としているのですが、現代劇なのに開拓時代のような服装で道路には馬車が走っていたりする様子は、なんかやっぱり異様なものがあってちょっと怖いですね。
禁欲主義だからといって、敢えて中世みたいな服装をする必要はあるのかしらん…
お話の方は『6月6日に生まれた6人の少女(最初に1人死んでるけど)たちが18歳の誕生日を目前に次々と殺害されていく』というような感じのストーリーで、彼女たちの命を狙うのはサイコな宗教家なのか果たして…というサイコサスペンスっぽいノリの内容。
ただ殺害シーンを含めてお話が全体的に淡々としており、なんというか盛り上がりに欠ける印象。
『悪魔の子』の設定も殆ど活かされていないためにヒロインたちがサイコな殺人鬼に理不尽に殺されている印象しか無くて、オカルト映画的な要素が薄すぎです。
内容的に確かに『アーミッシュ』というコミュニティの異様な雰囲気は伝わるのですが、それ以外に殆ど見所が無くて全体的にインパクトが弱すぎるのは難点でしょう。
5人の少女もあまりコレといった個性が無くて、ヒロイン以外は誰が殺されたのかも判然としなく(というかどうでも良く)て、いつのまにか話が終わってたみたいな感じなんですよね…
ラストの展開だけは割と盛り上がってカタルシスがあるので良かったですが、他の部分が全体的にダラダラしすぎで、なんとも冗長な印象の作品でしたよ。
これならもうちょっと主題を明確にして、コミュニティの異常性をもっと押し出すか、オカルト要素をもうちょっと強めにした方が良かったんじゃないかと…
総評としましては、『いまひとつ地味で盛り上がりに欠けるオカルトサスペンス映画』ってのが正直なところですね。
致命的に酷い訳では無いものの印象に残るような要素も殆ど無いため、ちょっとオススメできる部分は少ないかなぁ?
少なくとも『悪魔が棲む家』というタイトルに惹かれて幽霊屋敷ものを期待しているような場合は、全く期待に添えない内容だと思いますので、それだけは要注意ですよ。