NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「アクア・クリーチャーズ」(35点/モンスター)

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■■■「アクア・クリーチャーズ」■■■
(35点/モンスター)

 アメリカのミシガン州にあるシャルルボア湖では、大量発生したウミヤツメの湖への侵入と魚が食い荒らされる被害に苦慮していた。

 地元の生物局のマイケルはウミヤツメの対策のために調査を開始するが、飢餓状態に陥ったウミヤツメが凶暴化して人間をも襲うようになっており、ここ数日の行方不明者がウミヤツメの犠牲になっている事を発見。

 彼は地元のTV局を通じて街の住民へと警告を発するが、ウミヤツメの群れは既に水道管から街中へと侵入しており、街はパニックへと陥って行くのだった…



 湖で大量発生して飢餓状態に陥ったウミヤツメの大群が人々を襲うという、生物パニック映画。

 先日もヤツメウナギもののモンスター映画がありましたが、今回もアメリカの五大湖に侵入して生態系を脅かしている事で話題になっているヤツメウナギ(ウミヤツメ)を題材とした新作ですね。
 (少し前は侵略的外来種として雷魚のネタの映画が大量に作られてましたが、B級ホラー製作者のこういうフットワークの軽さには感心させられます。)

 ただ映画の方は、低予算モンスター映画の乱発で定評のあるASYLUMの作品と言う事で、まあいつものASYLUMという感じの内容です。

 でも前回観たヤツメウナギ映画である「キラーファング・アタック」に比べると幾分かマシな感じで、とにかくモンスターが派手に登場しまくるのは良い感じ。
 とりあえず映画の開始5分ぐらいからモンスターが画面にバンバン登場するので、まあ退屈しない作りではあります。

 …が、いかんせんストーリーがあんまり面白く無いのは困りもの。

 キャラの発言やら行動が、いかにも『台本の都合』で動かされてる感じで理不尽な部分が多くお話の流れに説得力がなく、主人公たちも『情況に流されてるだけ』みたいな感じの行動が多くて、どうにも盛り上がりません。

 またパニック映画なのにパニックシーンの描写がショボいのは困りもので、特に序盤の観光客が逃げ回るシーンではエキストラの人数の少なさや襲撃シーンの迫力の無さに哀しくなります。

 ただ全くダメなだけの映画という訳でも無くて、後半~終盤にかけてのモンスターの襲撃シーンは割と気合が入ってて、そこそこ楽しめるレベルになってるのは良い感じ。

 ミミズ映画のスクワーム」のように、配水管やら便器やらからヤツメウナギがニョロニョロとあふれ出してくるシーンとかはなかなかインパクトがありますし、ヘビのように地面を這って襲いかかってきて、体の中にもぐりこんでチェストバスターみたいにお腹を食い破るってのもナンセンスながら楽しませてくれます。
 (まあ実際のヤツメウナギは吸盤状の口で吸い付いて血を吸うだけでカンジェロみたいに体内に侵入して内臓を食い荒らしたりしないので、ちょっと襲われたぐらいじゃ人間は死なないんですけどね…)

 ただヤツメウナギのCGに予算を使い切ってしまったのか特撮そのものは相変わらずショボくて、襲撃シーンが『ウナギの人形を貼り付けてるだけ』みたいな感じで、全く迫力が無いのは残念なところですねぇ。

 パニックシーンの出来も含めて、全体に予算が行き渡らなかった感じなのかしらん…

 あと割とどうでも良い事ですが、ヤツメウナギに陸地で襲われた犠牲者の全員が、必ず足を滑らせて水の中に落ちてから食われるって描写が何回もあったのは笑ってしまいました。
 お前らお約束に忠実すぎるだろ。(笑)


 総評としましては、『微妙な出来の低予算モンスター映画』ってのが正直な感想ですかね…

 全く見どころの無い映画って訳でもないですが、お話そのものがあんまり面白く無いのでオススメするには辛いところ。

 現状ではヤツメウナギを題材としたモンスター映画は少ないので、そういう理由でチェックしておきたいのであれば止める事もしませんが、今後も同じような題材のネタが出てきそうな気もするので、その辺は自己責任で…