NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「人造人間13号」(60点/モンスター)

イメージ 1

■■■「人造人間13号」■■■
(60点/モンスター)

 CSI(犯罪科学捜査官)を目指す大学生らの6人は、担当教授らと共に卒業試験のために閉鎖された『第13恐怖収容所』という施設の跡地に作られた、人里離れたキャンプ場を訪れる。

 その場所は、第二次大戦中に死刑囚を相手に人体実験が行われたという逸話があり、地元の住民達の間でも不気味なウワサの耐えない場所だった。

 キャンプ場に到着した彼らは、卒業試験の課題として教官の隠した『遺体』を発見しその現場検証と化学分析を開始するが、そんな最中に運転手兼コックのラリーが試験とは関係のない別の死体を目撃。

 学生の1人が調査に向かうが、彼女は突如として動き出した遺体の襲撃を受け…



 かつての軍の施設の跡地に試験に訪れたCSI候補の若者たちが『動く死体』の襲撃を受けるという、モンスターパニック映画。

 なんでもバイオハザード2」や「サイレントヒル」の製作スタッフによって作られた作品という事で、何かタイトルだけ聞くと「ドラゴンボール」のキャラクターみたいなふざけた題名ですが…

 あにはからんやコレが意外と良く出来たゾンビ映画でした。

 お話としては『人里離れた軍事施設の跡地に試験に訪れた若者たちがゾンビの群れに襲われる』というそれだけの内容ですが、閉鎖環境で少人数がゾンビと戦うという感じで『パニックもの』というよりは『モンスター映画』のテイストが強めの内容。

 オーソドックスな内容ながらも基本的な部分が意外とシッカリ作られており、まず『キチンとモンスターホラーしてる』のは良い感じです。

 本作の特徴としては、モンスターの襲撃シーンやら対決シーンやらで矢鱈と残虐描写が強めのハードコアな内容だという事。

 特撮はレトロなタイプのSFXを使ったスプラッタ描写なのですが、かなり血みどろ要素が強めのグチャグチャな感じで、且つ血糊もそんなにウソっぽく無いのは良い感じ。

 襲われるシーンのシチュエーションなんかも結構エグくて、茨の茂みに引っ掛かって動けなくなったところを食われるシーンとかは、ダリオ・アルジェントとかの80年代ホラーをオマージュした感じでなかなかに良いセンスです。

 スプラッタ全盛期のゴアホラー映画が好きだった人ならば、それだけでも十分に楽しめる要素でしょう。

 お話そのものはそこまで特徴は無いですが、全体的にテンポも良くて退屈しない作りですし、ラストの唐突な投げっぱなしっぷりもなかなかにツボを心得ている印象。

 ただ良く出来た部分も多いのですがちょっと残念な部分としては、登場人物のキャラ描写が浅くて、あんまりキャラが立ってない事かなぁ?

 特にメインとなる6人の学生が個性があまりなくて、ヒロイン以外のメンバーは誰が誰だか分からないような状態だったので、途中で誰が生きてて誰が死んでるんだかサッパリ分からなくなりましたよ。

 またCSI(犯罪科学捜査官)の卵という設定がある割には、お話の導入部分以外ではその設定が殆ど活かされていなかったので、その辺のスキルをもうちょっとゾンビとの対決シーンでも活かして欲しかったです。

 他にお話の後半部分は夜のシーンになるのですが、せっかくゴア描写に気合を入れてる割には後半は暗いシーンばかりで何が何だか良く分からない情況が多くて、お話が後半になるほど盛り上がりに欠ける感じになってしまってたのは残念なところです。
 ゴア描写をウリにするなら、対決は全部が昼間のシーンでも良かった気がしますよ…

 あと割とどうでも良い事ですが、囚人のゾンビとは言え『ゾンビがみんなハゲのオッサン』なのは個性が無さ過ぎなので、ゾンビ側にももうちょっと個性があっても良かったかも?


 総評としましては、ノーマークながらもなかなかに良く出来た『掘り出し物的な佳作ゾンビ映画って感じの作品です。

 ここ最近で観たオリジナル系のゾンビ映画としては、割と上位に入る感じの作品でしたので、ゴア映画&ゾンビ大好きな人であればチェックしておいても損は無い一本だと言えるでしょう。

 逆にゴア系が苦手な人には辛い作品だと思いますので、ゾンビが好きでもそういうのがダメな人には厳しい作品かもしれませんね。