NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「マンホール」(55点/サスペンス)

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■■■「マンホール」■■■
(55点/サスペンス)

 カナダのコリングウッドという田舎町で謎の水質汚染による住民の集団中毒事件が発生。
 町の住人が次々とコレラチフスといった感染症の合併症に倒れて域、町からは避難指示が出されるまでの事態に発展する。

 そんななか下水処理員のジャックは、『組合』の一員だと名乗るプロッサーという奇妙な男から、20万ドルという大金で中毒事故の原因の調査の依頼を受ける。

 彼は危険と知りながらも妻と子供のために、汚染の原因と思われる古い配管の通った下水処理施設へと向かうが、調査中に汚染源と見られるマンホールで驚くべきものを発見。
 しかし、その直後に何者かによって下水道に閉じ込められてしまい…



 有毒物質によって汚染されたマンホールを調査に向かった下水処理員がマンホールに閉じ込められた事によって恐るべき運命を辿っていく…というモンスター映画風味のサスペンスホラー映画。

 『下水道に閉じ込められた男が汚染物質と狂気に苛(さいな)まれてモンスターへと変質していく』という現代版「悪魔の毒々モンスター」みたいな設定のお話ですが、毒々モンスターみたいなノリのお話なのかと思いきや、あんなコメディタッチの明るい内容じゃなくてもっとドロドロした暗い感じのお話です。

 初見の感想はなんと言いますか『汚い映画』というのが正直なところ。
 最初からゲロとか汚水と汚物の連発なうえにストーリーの大半が下水道の中で進むので、そういう不潔な描写がダメな人にはちょっと抵抗がある内容かも…

 監督が「モンスター・トーナメント」という『モンスターがプロレスで対決する』というパロディ映画を撮った人なので、てっきりモンスター映画みたいなノリなのかと思ってたのですが、お話の中身の方はサスペンス要素が強めの内容ですね。

 汚染物質や死体と一緒に下水道に閉じ込められた男が、徐々に肉体と精神を変異させて正気を失っていくみたいな感じのノリで、全編通してかなり重苦しくて割と普通に怖いです。

 『主人公が精神的に追い詰められていく過程』が割と丁寧に描かれており、主人公を閉じ込めた謎の人物の不気味なキャラも良く出ており、お話としては監禁型ホラーという感じでなかなか面白いですね。

 ただいかんせん舞台が延々と下水道の中で主人公もずっと閉じ込められているだけなので、ドラマが殆ど生まれずにお話に進展が無くてちょっと冗長さを感じてしまうのは残念なところ…

 閉鎖環境が舞台の割にはそこまで閉塞感があるような演出でも無いですし、ちょっと中途半端な印象を受けたので、もうちょっと閉塞感を強調するか作品の中で世界を広げるような何らかの工夫があった方が良かったと思います。

 お話の内容も、中盤辺りから『救いの無さそうなオチ』になるのが予想できてしまうので、そういうのが苦手な人にはちょっと合わない映画かも?
 ラストの自己犠牲的な救いの無い展開とかは個人的には割と好きな落とし方でしたが、人によって評価が分かれそうな部分ではあるかなぁ…


 総評としましては、ややドギツイ部分はあるものの『ちょっと変り種だけどそこそこ楽しめるレベルの監禁型ホラー映画』だと言えるでしょう。

 シチュエーションスリラー的な作品としてはちょっとノリが独特な感じなので、楽しめる人は楽しめると思うのですが合わない人にはダメな作品かも…

 (主に衛生的に)気持ち悪いのが苦手だという人にはちょっとオススメできませんが、他にはあまり無いタイプの作品なのでそういうのが苦手で無ければ観てみる価値はある一本だと思いますよ。