■■■「REC/レック4 ワールドエンド」■■■
(60点/モンスター)
アパートメントで起こったウィルス感染事件の唯一の生存者であるTVレポーターのアンヘラは、軍によって救出された後に病院のベッドのような場所で目を覚ます。
その場所は謎のウィルスを研究する組織によって作られた、感染の疑いのあるものを隔離するために海上の貨物船の上に作られた研究施設だった。
正体不明の組織に不審なものを感じながらも、現場の監督者である医師のリカルドに従ってウィルスの研究に協力していた彼女だったが、やがて研究所で管理していたウィルスに感染したサルが逃亡した事から船の中でパンデミックが発生。
彼女らは彼女を救出した軍人のグスマンらと協力して、パニックに陥った船内から脱出しようとするが、そんな矢先にアンヘラが現場で録画していた映像から驚くべき事実が判明し…
アパートメントで発生した謎のゾンビウィルス感染を題材とした「REC」シリーズの最新作に当たる、モンスターホラー映画。
3作目は過去のエピソードになったりとちょっと脇道に逸れた印象でしたが、最新作は1~2のストーリーの正統な続編という感じの内容ですね。
ただPOV形式の録画映像を用いたホラーだからこそ「REC」ってタイトルだったと思うのですが、本作はもはやPOV的な要素は全く無くなっており、何が「REC」なんだか良く分からない状態ですね。(笑)
でもストーリー的には今までのストーリーと密接に繋がった内容の続編になっており、1作目の『屋根裏の少女』の謎が判明したりとお話的に完結編みたいな位置づけだったりするので、続編ものとして観るにはなかなか楽しめる内容になっている印象です。
(逆に1作目を観てないと、ストーリーが良く分からないという欠点はありますが…)
内容に関しては、鑑賞する前にいまひとつ良くない評判を聞いていたのですが、なかなかどうして意外と良く出来たゾンビ映画という感じですね。
全体的なテンポが非常に良くてスピード感もありますし、アクションシーンも多めでとにかく観ていて退屈しないのは良いところでしょう。
グロ描写も相変わらず激しいですが、前作に比べるとちょっと控え目な印象かな?
お話的には『今までのシリーズの謎解き』みたいなのが行われるので、観ていて非常にスッキリしますし、ゾンビ映画にありがちな『投げっぱなし』にならなかったのは良い感じです。
ただ今までのシリーズに比べると、良くも悪くも『普通のアクションホラーになってしまった』ってのは残念なところで、派手で面白い内容ではあるのですが全体的に緊張感が薄めで特に印象に残るようなシーンも殆ど無いのが惜しい…
この辺は1~2作目のコンセプトが好きだった人には不満に感じる部分だと思うので、評価が分かれてしまうのも致し方ない部分なのかなぁ?
ゾンビ化の原因も、謎が解明されてしまったせいでちょっと安っぽい印象になってしまったって部分もあるので、この辺も賛否両論あるところだと思います。
個人的には、ヒロインとか医師とかキャラクターとかが弱くて全体的にキャラの印象が薄めだったのは不満点なので、もうちょっとキャラ付けが濃くても良かったんじゃないかと…
総評としましては、シリーズものとして観ると色々と不満も無くはない感じですが、その部分はさておいて『普通に良く出来たゾンビものアクションホラー映画』だと思います。
シリーズを通して観てる人ならば、シリーズの『解決編』に当たるようなお話なので、とりあえずチェックしておいても損は無いでしょう。
逆にシリーズを観てないとなんだか良く分からないストーリーになってしまうと思うので、本作から観るにはハードルが高いかも?
今までのシリーズとかなり毛色が違う感じなので人によって賛否ある内容だと思いますが、個人的には普通に楽しめた内容の一本でしたよ。