NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア」(60点/コメディ:結構オススメ)

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■■■「シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア」■■■
(60点/コメディ:結構オススメ)

 現代に生きるヴァンパイアのヴィアゴ(379歳)、ディーコン(183歳)、ヴラド(862歳)、ピーター(8000歳)らは、ニュージーランドの町でシェアハウスをして4人で暮らしていた。

 彼らはたまにはケンカもするものの、毎日を空を飛んだりダンスをしたり、行き付けの仲間のヴァンパイアの経営するパブに訪れて(時々人間をさらってきたり)飲み明かしたりと仲良く気ままな生活を送っていたが…

 そんなある日、ピーターがニックという若者をヴァンパイアにしてしまった事から、新米ヴァンパイアとその友人のスチューがシェアハウスで一緒に暮らす事となり、彼らの生活は思わぬ変化を起こしていく事になる…



 現代に生きるヴァンパイアたちの気ままでちょっとおかしな生活を描いた、コメディホラー映画。

 各国のホラー系の映画祭で審査員賞は逃したものの観客投票による『観客賞』を受賞した作品という事ですが、確かにコレは変り種ながらもなかなか面白い作品です。

 作風としてはいわゆるPOV形式の作品で『取材陣がヴァンパイアたちの日常を本人たちの許可を得て撮影している』という設定でインタビュー形式でお話が進んでいくのですが、ヴァンパイアたちの生活が矢鱈とノリの軽いお馬鹿な感じなのは笑えます。

 鏡に姿が映らない事や仲間が5年も掃除をしてなくて床が血まみれな事に文句を言ったり、仲間同士の(数百年の)ジェネレーションギャップを語ったりという、あるあるネタ』的な吸血鬼らしいグチが語られるのも面白いですし、個性的なファッションで町にくり出してパブで飲み明かしたりと、数百年も生きてる割には全く落ち着きが無いうえにノリが軽くて自堕落な感じで、良くも悪くも個性的なキャラクターになっているのは良いですね。

 お話としてはヴァンパイアたちのダラダラした日常を描きつつ、新たに仲間になった新米ヴァンパイアによってもたらされる生活の変化やら、過去からのモンスター仲間(狼男や魔女とか)とのしがらみとかを中心に話が進んでいく感じで、まさにヴァンパイアたちの生活をパロディ化した『日常系コメディ』って感じの内容。

 ホラー要素は殆ど無いですが、モンスターたちのデフォルメされた気ままな日常も楽しいですし、宙に浮かんでダンスしたり空を飛びながら取っ組み合いのケンカをしたりというお気楽なノリは笑えます。
 また割とダラダラしただけの展開ではなく、後半ではそれなりにヒューマンドラマ的な要素もあったりと、そこそこキチンとした作りになっているのも良い感じでした。

 ただ個性的で非常に面白い作品なのですが、基本的には低予算映画なので演出やら特撮やらも安っぽいですし派手さとかは全く無いので、ちょっと物足りない部分もあるかも?

 特に序盤のコメディシーンとかは、もうちょっとシッカリとした特撮を使ってガッツリとネタを描いてくれた方が面白かったかなぁ…と思うところもあったので、残念な部分でもありましたよ。(こういうバカなネタは真剣にやればやるほど面白くなるので…)

 あと、狼男やヴァンパイアは日常に紛れ込んで生活できるとは思うのですが『ゾンビは流石に日常生活に紛れ込むのはムリだろ?』とツッコミを入れたくなったのは、自分だけですかね?(笑)


 総評としましては、色々とツッコミどころはあるものの低予算ながらも『個性的で面白いPOV形式のコメディホラー映画』って感じの作品ですね。

 『ちょっと変り種な感じのコメディホラーとかが観てみたい』という人にはピッタリな作品だと思いますので、そういうネタ系のホラー映画を求めているのであれば観ておいて損は無い一本だと思いますよ。

 ちょっと物足りない部分や不満もあるりますが、他には無いタイプの作品として個人的には割と楽しめた一本でした。