NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「フロム・ザ・ダーク」(35点/モンスター)

イメージ 1

■■■「フロム・ザ・ダーク」■■■
(35点/モンスター)

 アイルランドに車で旅行で訪れたサラとマークの2人は、道に迷って携帯の電波も届かないような田舎道に入り込んだうえで、車がぬかるみにスタックしてしまい立ち往生してしまう。

 助けを求めるために近所に一軒だけあった古い農家を訪れたマークは、その場所で首筋に傷を負った住人らしき男性と遭遇。
 彼を救護するためにサラと再び農家を訪れたところ、家中の電気が全て壊されたうえに男がどこかに行方をくらませているのを発見する。

 彼らは不審に感じつつも家の中を男性の姿を捜してまわるが、そんな最中、唐突に闇の中から怪物のように姿を変えた住人の襲撃を受け…



 アイルランドの田舎道で立ち往生した若者たちが正体不明の吸血鬼のような怪物に襲われるという、モンスターホラー映画。

 まあ何と言うか、ホントに設定のとおりの『若者たちが闇の中から現れた怪物に襲われる』というそれだけのお話ですね。

 怪物は『光が弱点』ということ以外に正体とかは良く分からないのですが、いわゆるヴァンパイアみたいな感じのモンスター。

 怪物はヴァンパイアみたいに噛まれたら感染するタイプなのですが、ヴァンパイアとの違いは太陽光線じゃなくても単純に懐中電灯でも炎でも『光を浴びるとダメージを受ける』って辺りかな?
 アイルランドの悪霊か妖精の類なのかもしれませんが、ちょっと自分には元ネタが良く分かりません。

 この『光が弱点』という設定はなかなか面白くて、全く明かりの無い田舎の農場でスマホのライトや電気スタンド、ロウソクとマッチといった『頼りない武器』を手に主人公たちが怪物と戦うというシチュエーションは、思ったよりも緊張感があって良い感じですね。

 低予算故の『怪物の姿をシッカリと描かない』という事の理由付けにもなっていますし、なかなか上手い設定の作り方だと思います。

 ただ、本作の難点は『とにかく登場人物が少な過ぎる』という事かなぁ?

 メインの登場人物は主人公たちのカップル2人のみですし、怪物の方も2~3人しか登場せずに、とにかく登場するキャラクターが物凄く少ないので先の展開が読めすぎて緊張感があんまりありません。

 またキャラの少なさから山場となるようなシーンが少ないので、どうにも盛り上がりに欠けます。

 前述のとおり『頼りない明かりを武器に戦う』というシチュエーションで、色々と工夫して盛り上げようとはしてるのは上手いとは思うんですけど、根本的に盛り上がる要素が少なすぎるのは難点なので、もうちょっと登場するキャラを増やして怪物を倒すにしても主人公たちが襲われるにしても、もっと見せ場になるシーンが欲しかったところ。

 真っ暗の中にほのかな明かりだけでお話が進んでいくという、映像の雰囲気作りやら演出の手法やらは良く出来ていたので、もうちょっとお話そのものに盛り上がる要素があれば、そこそこ面白い作品になったと思うんですけどね…


 総評としましては、演出やらの良く出来ている部分もあるのですが全体的に『地味すぎて盛り上がりに欠けるモンスター映画』という感じの作品ですね。

 サクっと流して観るには悪くは無いんですけど、とにかく地味なので観終わった後にいま一つ印象に残る部分の無い映画でしたよ…

 地味な割にはそれなりに緊張感もあって楽しめる内容なのですが、オススメするような要素があるかと言われると微妙なところですねぇ…
 まあ、TVとかで観る分には普通に観れるレベルの作品だとは思うので、そういうタイミングでチェックする程度で良い一本だと思いますよ。