■■■「ピラニアシャーク」■■■
(10点/モンスター)
軍によって研究されていたが、研究中の事故によって開発が頓挫した超小型の生物兵器『ナノザメ』。
開発会社はこのサメを2~3cmの愛玩動物の『ピラニアシャーク』として市場へと売り出して資金回収する事を画策する。
『ピラニアシャーク』は大ヒット商品となりニューヨークの家庭へと受け入れられる事となるが、異常な繁殖力で一晩のうちに数十匹にも増え凶暴で飼い主を襲う性質で、購入した人間によって下水道に捨てられた事によってニューヨークの上下水道にピラニアシャークが大繁殖。
次々と人間を襲いだした事から街は大パニックに陥ってしまう…
そんな最中、偶然にもピラニアシャークの弱点を発見した害虫駆除業者のジャクソンは、怪物たちを駆除して街を救うために仲間とともに立ち上がるのだった。
ペットとして売り出された遺伝子操作された人食い魚『ピラニアシャーク』がニューヨークの街に解き放たれてパニックを引き起こすという、モンスターパニック映画。
ちなみに当ブログの採点は100点満点で行われており、決して10点満点の点数ではないという事を最初に断っておきます…
というか『コレは久々に酷いクズをつかまされたわ…』って真剣に思った作品でした。
いやまあとにかく酷い…色々と酷い…というかあまりにも酷すぎて酷くない部分を探すのが難しいレベルの酷さ!!
頑張って酷くなかったところを探すとしたら、研究所の施設とかどうでも良いCG合成シーン(ピラニアシャークの登場シーンではない)の映像がちょっとキレイで、あまり低予算っぽさを感じさせなかった(映画の開幕5分ぐらいのみ)辺りでしょうか?
本気でそれぐらいしか誉めるべき部分を思いつきません。
それ以外の酷い部分は上げ始めるとキリが無いのですが、何が酷いってやはり『モンスターが全然登場しない』という事でしょう。
タイトルからして『殺人魚が人間を襲撃するシーンがメインになる』と思いそうなものなんですが、このピラニアシャークが全く画面に登場しやがりません。
90分の本編を通して5分ぐらいしか出番が無くて、出てくるシーンも殆どがチラ見せレベル。
そもそも『ピラニアとサメって、最初から「人間を襲う肉食魚」って特徴で被ってるから掛け合わせても何の意味も無いよね?』と思ってどういう風に個性をだすのか期待しながら観ていたのですが、そもそも怪物の出番が少なすぎてそれどころではありませんでしたよ…
しかも登場したピラニアシャークは、何故か群れで空を飛びながら襲い掛かってくるという斜め上の襲撃方法で『既にサメ要素は関係無い…というか無くても良いよね?』とツッコミを入れたくなったのは自分だけ?
でもまあそれだけ聞くとトンデモ生物兵器のお話だと思えばそこまで悪く無さそうな印象も受けるかもしれませんが、前述したとおりとにかく本編にモンスターが出て来ないのが辛いんですよ。
モンスターが出ない代わりに何をやってるかというと、物凄くツマんなくてどうでも良い脇道の話が矢鱈と多くて長いという印象。
ピラニアシャークを作り出した研究者の話とかはまあ100歩譲って本編に必要だと思うのですが、主人公の別れた妻と息子の話とか、あまつさえそのニートの友達のストリップ劇場に通う話とか、この映画の内容として必要な要素だったんかと…
クソ面白く無い脇道がダメでも本筋が面白ければ救いがあるんですが、本筋の方も設定とかグテグテで説得力が皆無の内容。
途中で金魚ぐらいのサイズのピラニアシャークに人間が襲われて殺されるようなシーンとかがあるのですが、いくら凶暴でも金魚サイズの肉食魚に襲われて人間が数十秒で殺されるとかあり得んでしょう?
また、終盤で『繁殖したピラニアシャークを殺すために軍隊がニューヨークを核攻撃しようとする』って展開になるのですが、殺人魚が出現してから1日ぐらいしか経ってないのに特に救助作戦も行わずにいきなり核攻撃を決定するとか決断が早いにもほどがあります。
アメリカの国防省はどんだけ血に飢えた野獣なんだと?
ラストの解決手段も、何が起こってるんだか良くわからないうちに何の盛り上がりも無いままモンスターが退治されて終了という展開(あの毒を流すためにわざわざ水中に入る必要はあったんかい?)ですし、ホントに酷い内容でしたよ…
総評としましては、純粋に『ビックリするほどツマんないZ級モンスター映画』という感じの作品です。
ツッコミを入れだしたらキリが無いレベルでツッコミどころの多い作品なんですけど、『映画のツマんなさ』に対してしかツッコめる部分が無くてネタとしても楽しめないため割と手が付けられないレベルの駄作という感じ…
この映画を観るために90分の時間を費やす事は、部屋でひたすら畳の目を数えて90分費やすのと同じぐらいに無為な事だと思うので、それぐらい無駄に時間を消費したいという奇特な方のみ鑑賞してみてください。