NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「バッド・マイロ!」(60点/モンスター:結構オススメ)

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■■■「バッド・マイロ!」■■■
(60点/モンスター:結構オススメ)

 イヤミな上司による不当な人事異動や無能な同僚、母親の若すぎる再婚相手等の問題に日頃から悩まされるダンカンは、それらのストレスから出来たと思われる巨大な大腸性ポリープによる非常に強い腹痛に悩まされていた。

 そんなある日、激痛によって意識を失った彼は、翌日に自分の同僚や知人が『正体不明の野生動物』のようなものに襲われて殺害されるという事件が発生。

 奇妙な事件を不思議に感じつつも、腹痛の原因を調査するための診断を続けていたところ、彼の肛門の中には『赤ちゃんのような姿をした正体不明の怪物』が潜んでいる事が判明し…



 平凡な会計士の男の肛門から『赤ちゃんのような姿をした正体不明の怪物』が出現するという、コメディタッチのモンスターホラー映画。

 『尻の穴から怪物が出現する』というかなりのトンデモ設定の作品ですが、インパクトだけの作品かと思いきやなかなかどうして意外と良く出来たコメディホラーでしたよ。

 お話の設定としては、あるストレスを溜めた主人公の肛門の中から唐突に赤ちゃんのような姿の怪物が出現して次々と人を襲いだすんだけど、怪物は主人公の分身のような存在なので『怒りを制御する事によって怪物をコントロールして怪物の暴走を食い止めようする』というような感じの内容です。

 ノリとしては終始コメディタッチが強めの展開で、ストーリーに関してはツッコミどころが満載なのですが、理不尽なネタをギャグとして処理するさじ加減がなかなか絶妙具合で、そこまで不条理さを感じさせない作りなのは上手いですね。
 主人公とか割と不幸でグテグテな境遇だし結構死人とかも出てるんだけど、80年代ホラー的なチープで軽いノリとテンポの良さで、お話が重くなりすぎないような構成になっているのは良い感じです。

 ツッコミどころという点では、そもそも『何で尻の穴から唐突に怪物が出現するんだよ!!』ってのが最大のツッコミどころかと思いきや、この辺に意外にもキチンと設定やら謎解きが準備されていたのは、良い意味で予想外の展開でした。

 でも『あんな巨大な赤ちゃんサイズのモンスターが尻から出入りするのはムリがあるだろ!!』って部分は、幾らなんでもフォローできませんけどね。(笑)
 (っていうか、あんなデカいものがお腹のなかに居たら、主人公は妊婦みたいな体型じゃないとおかしいだろ…)

 チープなノリを活かした構成としては、モンスターのデザインなんかも非常に古臭くて良い感じで、赤ちゃんとリトルグレイとETを足して3で割ったような姿をしているのですが、今どきにしては珍しくCGをあまり多用しないマペットによる造型が良い味を出しています。

 ただモンスターの暴れまわるシーンはあまり多くなくて、襲撃シーンがちょっと地味でそこまで面白味が無かったのは残念なところかなぁ?
 コレに関しては、もうちょっと見せ場が欲しかったです。

 ラストの『ちょっと良い話』的な展開も上手いと思うのですが、オチとしてはパンチが弱かった感があるので、最後はもうひと捻りあっても良かったかも?


 総評としましては、良い意味で安っぽさと下品さに溢れる『非常にバカバカしいノリのB級モンスター映画』って感じの作品ですね。

 ちょっと古臭い感じの『下らないノリのモンスター映画』が好きな人であれば間違いなく楽しめる一本だと思いますので、そういう作品を求めているならばオススメではないでしょうか?

 ネタ映画としてもなかなか秀逸な作品だと思いますので、お馬鹿ホラーが好きな人ならばチェックしておいて損は無い一本ですよ。