■■■「アナベル 死霊館の人形」■■■
(45点/オカルト)
カリフォルニア州のサンタモニカに住む研修医のジョンは、出産を控えたミアに彼女がかねてから欲しがっていたアンティークドールをプレゼントする。
しかし、その夜に隣家をカルト教団が襲撃し老夫婦が惨殺され、彼ら自身も襲われるという事件が発生。
教団員は警察によって射殺されたため事なきを得るが、それ以来、死の直前に教団員の女性が持っていたアンティークドールの周りで奇妙な現象が起こるようになっていき…
謎のカルト教団と呪いの人形によってもたらされる恐怖に巻き込まれた若い夫婦の運命を描いた、オカルトホラー映画。
「死霊館」にチラっと登場した呪いの人形である『アナベル』を題材としたスピンオフ作品ですね。
時系列的には「死霊館」のエピソードの過去に当たるお話なのですが、『アナベルがいかにして誕生したか』を描いた内容なのでストーリー的には「死霊館」との直接の繋がりはありません。
「死霊館」は小粒ながらもなかなか良く出来た作品でしたが、本作はなんというか『普通』というか『悪い意味での普通』なオカルト映画という印象の作品。
『人形もののオカルトホラー』というアイデア自体が既に使い古された感があるのですが、そもそも肝心の『呪いの人形』の影が非常に薄い。
どちらかというと、オマケに登場した悪魔とか女の幽霊のインパクトばかりが強くて、人形ホラー的なノリを期待していると肩透かしを食らわされます。
まあそれでもオカルトネタとして面白ければ良いのですが、全体的にテンポがあまり良く無くて、特に序盤~中盤にかけての展開がどうにも冗長。
事件があまり起こらないうえに淡々とお話が進んでいくので、ハッキリ言ってちょっとダレます。
謎解きが始まって事件が進み始める中盤辺りからは割と面白くなっていくのですが、ストーリーの流れは割と面白いものの派手なシーンとかが殆ど無いので盛り上がりに欠けるんですよね…
地下室のエレベーターの場面みたいに、薄気味悪い演出とか得体のしれない不気味なシーンとかの見どころはあるものの、全体的にはどうにも物足りない印象です。
「死霊館」と同様に本作も『実話ベース』という事で派手になり過ぎない演出を狙ったのだと思いますが、リアリティがあるというよりも単に『地味な作品』になってしまった感じなのかなぁ…
総評としましては、『良くも悪くも普通のオカルトホラー映画』という感じですけど「死霊館」の続編と考えると物足りなさの残る作品ですね…
まあ駄作という訳では無いので、シリーズとして気になっているのであればチェックしておいても良いとは思います。
ただパッケージに惹かれて『人形ホラー』的なノリに期待してると、ちょっと物足りなさを感じるかもしれないので、それだけは要注意かもしれませんよ。