NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「地下に潜む怪人」(55点/サスペンス)

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■■■「地下に潜む怪人」■■■
(55点/サスペンス)

 大学で考古学を研究するスカーレットは、父が死ぬ前に研究していた錬金術師フラメルの『賢者の石』がパリのカタコンベの地下奥深くあるという手がかりを得る。

 彼女は『賢者の石』を手に入れるために、遺跡の探検に見識のある友人らや地元の若者たちの協力を得て、カタコンベの立ち入り禁止区域に隠された秘密の通路へと侵入。

 その奥深くにある宝の隠された部屋を目指すが、地下の奥深くで道を見失ったうえに、原因不明の怪奇現象が彼らに次々と襲い掛かり…



 パリの地下にある巨大なカタコンベの奥深くに隠された地下遺跡に侵入した若者たちが正体不明の怪奇現象にみまわれるという、冒険映画風味のオカルトサスペンス映画。

 タイトルやパッケージからして、てっきり『パリのカタコンベに潜む殺人鬼』でも登場するような話なのかと思ってたのですが、実際のお話の方は『怪人』なんて微塵も登場しない遺跡探検もののサスペンスホラーって感じの内容でした。

 何の目的でこんな内容が全く想像できないうえに、全く本編と合って無いようなタイトルとパッケージ(いやまあ一応あってるのか?)にしたのか、割と本気で理解に苦しみます、
 (スラッシャーホラー的な作品と誤解させる事で、特に売り上げが有利になるとも思えないんですけど…)

 映画の中身としては、いわゆる『POV形式で撮影された地下遺跡探検もの』って感じの内容なので、遺跡版「ディセント」みたいな雰囲気かも?
 (ただ、こちらは地底人とかモンスターとかは登場しませんが…)

 序盤~中盤にかけては遺跡探検がメインの冒険映画的なノリなのに対して、後半から一気にホラー色が強くなるというような展開なのが、ちょっとだけ「ディセント」を彷彿とさせてなかなか面白いです。(狭い地下通路が崩れるシーンとかのオマージュしてるっぽい部分もありますしね…)

 実際にお話としても、この序盤~中盤にかけての『遺跡探検のパート』が割と良く出来ており、地下遺跡の不気味な雰囲気や緊張感や閉塞感やらが上手く表現されているのは良い感じ。

 トラップを回避するための謎解き要素なんかもシッカリと作られているので、『遺跡探検もの』が好きな人ならばそれだけでも割と楽しめる内容という印象。

 ただ逆に、後半のオカルト要素がちょっとグテグテ気味なのは惜しいところかなぁ?

 『遺跡に侵入した主人公たちが超常現象に遭遇する』というのはアイデアとしては面白いと思うんだけど、中盤までの冒険や謎解き要素が割と理路整然としているところに唐突に理不尽な現象が連発して起こるので、自分は途中から脳の理解が追いつかなくなって『なんじゃこりゃ?』って感じになってしまいましたよ…

 しかも、その理不尽現象をPOVの手持ちカメラの映像として見せられるので、『え、それどう見ても超常現象なんだけど、普通にカメラに写って良いの?』って感じで物凄い違和感が…

 また『超常現象の連発する』という分かり難い(というか非常識な)展開の上に、後半は走り回るシーンが多くて手持ちカメラの映像がブレまくりのせいで、3割ぐらいのシーンで何が起こっているのか良く分からなかったのは自分だけですかね?

 ラストも唐突すぎて『何のこっちゃ?』って感じのオチですし、ここまで理不尽な超展開にするならPOVとかにせずに普通に冒険もの風味のホラーにした方が良かったんじゃないかなぁ?
 (手持ちカメラの映像にせずに『幻覚を見せられてた』とかって設定ならばまだ納得しやすかったと思うので…)


 総評としましては、アイデアとしては割と面白い部分はあるものの『いまひとつアイデアを消化しきれてない微妙な冒険ものホラー映画』って感じの作品ですね。

 ちょっと作り荒削りすぎて何だか良く分からない作品になってしまった感じですが、遺跡探検ものとしての雰囲気やら緊張感やらは良く出来ているので、そういうノリが好きであればまあまあ楽しめる作品じゃないかと思います。

 強くオススメとまでは行かないですが、そこそこ見るべきところもある映画だと思いますので、気になるようなばチェックしておいても損は無い一本だと言えるでしょう。