■■■「スティーブン・キング 血の儀式」■■■
(45点/オカルト)
ウェストバージニアで母と兄の3人で暮らすジョージは、周りから変人扱いされている祖母マーシーの事が好きで、よく彼女の家に遊びに行っていた。
そんなある日、食事の最中に発作を起こして倒れたマーシーは「彼が来る」という意味不明の言葉を発するようになる。
一旦は養護施設に入れられるものの、手の付けられない発作のせいで養護施設に居られなくなったマーシーをジョージの一家が面倒を見る事になるが、介護に疲れ果てて教会に相談に赴いたジョージは、教会の神父から祖母と自分たちの家族の過去にまつわる恐るべき秘密を知らされるのだった…
祖母を介護する事になったとある家族が、かつて祖母が『邪悪な何者か』交わした契約のせいで恐るべき恐怖にさらされるという、オカルトホラー映画。
タイトルからしてS・キング原作のお話のようなのですが、自分は本作の原作を読んだ事が無いのでどのぐらい原作に忠実な作りなのかは分からないものの、内容的にはそこまでキングっぽさは感じない作品かなぁ?
お話の中身は、何と言うか一言で言うと『地味なオカルト映画』という印象。
お婆ちゃんが過去に契約した『あるもの』のお陰で主人公の一家が恐怖に晒されるという感じの展開なのですが、序盤~中盤の謎解きパートがとにかく地味で盛り上がりません。
原作はキングの小説という事なので、この辺は人間ドラマ的な部分が濃く描かれているのでしょうが、そこまで深く人間ドラマを描く事も無く淡々と映像化しちゃったような感じで、どうにもイマイチな印象。
映像の雰囲気なんかはなかなか良い感じなのですが、お話が盛り上がりに欠けるためにハッキリ言ってちょっと退屈です。
中盤以降はそこそこ盛り上がって来るのですが、こちらもオカルト要素のバックボーンやら登場人物の人間関係やらお話の繋がりやらが若干分かりづらくて、何だかグテグテな感じなんですよねぇ…
登場人物の人間関係とか魔術書の設定とかがもう少しシッカリと描かれてればそこそこ盛り上がる感じになったんじゃないかと思うので、なんとも残念なところです。
なんというか全体的に説明不足な部分が多くて、ラストのオチとかも分かったような分からないような終わり方ですし映像なんかも低予算っぽくてイマイチですし、悪い意味での『いつものキング原作の映画化作品』って感じの作品でしたよ…
総評としましては、どうにもパッとしない『いま一つ地味で盛り上がりに欠けるオカルトホラー映画』って感じの作品です。
映像の雰囲気やらの観るべき要素も無くはないのですが、その為だけに本作を見る価値があるかと言われるとちょっと微妙なところかなぁ…
キング原作作品としては『いつものキング原作映画』と言えなくも無いので、気になるようならチェックしておいても良いかもしれませんよ。