■■■「ジュラシック・ハンターズ」■■■
(30点/モンスター)
モンタナ州リビングストンにある鉱山で、イリジウムの採取のために掘り進めていたトンネルの奥の巨大な地下空洞から恐竜が出現し作業員が襲われるという事件が発生する。
爆破技師のクエイドはトンネルを爆破して恐竜の襲撃を食い止めるが、鉱山のオーナーは発見されたイリジウムを手に入れるために彼の警告を無視して再度の爆破を指示。
地面の巨大な穴から出現した大量の恐竜たちによって街は大パニックに陥ってしまう。
街が大混乱に陥るなかカウボーイのヴァルは、元妻のスカイを救う為に恐竜によって妻が閉じ込められているという街のバーへと銃を手に向かうのだった…
鉱山の地下深くの地下空洞から恐竜の群れが出現して人間達を襲うという、モンスターパニック映画。
まあなんというか『典型的な低予算モンスターパニック映画』って感じの作品ですね。
お話としては『鉱山のトンネルを爆破したら地下の空洞から恐竜の群れが出現して街がパニックに陥りました』というそれだけの内容なのですが、そもそもなんでそんな場所に恐竜が生き残ってたのかの説明とかは一切なし。
地下空洞がどういう場所なのかの描写も全く無くて、ぶっちゃけて言うと『特に脈絡も無く出現した恐竜が街中で暴れまくる』というただそれだけの内容です。
襲撃シーンの特撮のレベルとかも全体的にショボ目なのですが、恐竜のCGは合成に違和感があるものの割と頑張ってるレベル。
CGにお金をかけすぎて他がショボくなってしまったのかCGは何か他の番組から流用したのか分からないですが、まあ恐竜はいっぱい出てくるのでそれなりに見応えはあります。
ただ難点なのは、ストーリーが基本的に非常にツマんないという事。
お話としては、利権のために街をパニックに陥らせる鉱山オーナーの話とか、元妻を助けようとする主人公と妻の今の夫の保安官との確執とかが描かれるのですが…
金に目がくらんで街を危険にさらしたオーナーをはじめ、主人公は酒におぼれて起こしたDVが原因で別れた暴力夫だわ、保安官は金に目がくらんで仲間を見捨てようとするクズだわで、メインの登場人物に矢鱈とクズ野郎が多過ぎてどうにも感情移入ができずに盛り上がりません。
お話の展開もそこまでテンポが良く無くて、中盤ぐらいまではちょっと冗長な感じですし、終盤のパニックシーンも恐竜をバンバン倒しまくる割には見せ方が微妙なのかカタルシスが感じられない展開で、どうにも全体的に盛り上がりに欠けます。
恐竜の方もバックボーンがシッカリしていないためにストーリーに説得力が無いですし、途中で『メタンの溜まった地下空洞で暮らしていたからメタン呼吸に進化していて炎が弱点』という設定が出てくるんですが、『それならメタンの無い地上じゃマトモに呼吸できないんじゃ…』とか思ったのは自分だけですかね?
(というか1億年も光の無い地下空洞で暮らしてたら、流石に目が退化しちゃってるんじゃ?)
あと地上に出てきた何十匹かの恐竜を倒して『めでたしめでたし』みたいな終わり方なので『いや、どう考えても地下にまだいっぱい恐竜が残ってるだろ』と思ってたら、一応それはオチでフォローされていました。(笑)
総評としましては、正直言って『微妙としか言いようが無いような内容のモンスターパニック映画』という感じの作品です。
CGはそこそこ頑張っているのでそこだけは評価できる印象ではありますけど、それ以上にお話がツマんないのであんまりオススメが出来るような映画では無いかなぁ?
まあ暇つぶし程度にはなると思うので、TVとかネット配信とかで放映された時にチェックしたら良い程度の作品という感じで良いと思いますよ。