■■■「鮮血ピエロの惨劇」■■■
(55点/サスペンス)
1995年のアメリカ。
妻と子供たちと暮らすトムと、大学生のベス、無職の男レナードの元に、それぞれ赤い箱に入れられたハンディカメラが届けられる。
箱の中にはビデオカメラの他に『撮り続けろ』というメッセージとピエロの絵の描かれたカードが封入されていた事から、以前に応募した懸賞に当選してゲームの参加権を得たと考えた彼らは、ビデオでの撮影を開始する。
しかしそんな彼らの元に、今度は新たなメッセージの書かれたカードとビデオテープが送りつけられ、そのビデオテープにはビデオを撮影している少年が射殺されるシーンと『撮り続けなければ殺す』というメッセージが写っていた。
異様なものを感じた彼らは、届けられたメッセージカードの謎を解き明かすことで差出人の要求を探ろうとするが、新たなメッセージカードの指示に従っていくうちに思いがけない事態へと巻き込まれていくのだった…
謎の人物から奇妙なメッセージとハンディカメラを送りつけられた3組の男女が、メッセージの指示に従っていくうちに恐るべき事態に巻き込まれていくという、サスペンスホラー映画。
いわゆる手持ちのハンディカムを利用したPOV形式のサスペンス映画なのですが、3組の男女がそれぞれ奇妙な事件に巻き込まれるうちに、最終的にひとつの物語としてお話が収束していくという構成は面白いですね。
複数の登場人物の行動を描いたマルチサイト的な構成自体はサスペンス映画としては割とありがちではありますが、POV形式の作品ではちょっと珍しいタイプかも?
3組の男女が犯人からの指示に従って行動していくうちに、徐々に1つの結末が見えてくるという展開は割と面白くて、なんとなく先の読めるストーリーながらも『3つのお話をどういう風にリンクさせていくのか』という部分の構成はなかなか上手いですね。
ただ全体的にストーリーがちょっと冗長で、特に中盤辺りはたいした事件も起こらずに緊張感もそこまで無いままダラダラとお話が進む部分が多いので、ハッキリ言ってちょっと退屈。
もっと中盤あたりで山場になるような展開が欲しかったです。
特に、直接的な脅迫を受けてる夫婦が怯えるのは理解できるものの、大学生のお姉ちゃんとかは何をそんなにビビっているのかが良く分からなくて、ちょっと釈然としないものを感じました。
でもまあ終盤の展開は割とオチが見え見えな感じながらも、どういう風に話を運ぶのかが予想できずに割とハラハラさせられて良い感じかな?
ただ現実問題として、実際にはあそこまで犯人の思い通りにお話が進むとは思えず、『ちょっとご都合主義が過ぎるかなぁ…』という印象も…
取ってつけたような最後のオチも若干弱いですし、この辺はむしろ逆に投げっぱなしでも良かった気はしますよ。
総評としましては、それなりに観れるレベルの『ちょっと変わったテイストのPOV形式のサスペンス映画』って感じの作品ですね。
そこそこ個性的で観るべき部分もあるのですが、オススメとしてプッシュするにはやや弱い感じの内容ではあるかなぁ?
なかなか新たな試みをやってる映画ではあると思うので、POV形式のサスペンスとがが大好きであれば気になっているならチェックしてみても良いんじゃないでしょうか…