■■■「リバービースト」■■■
(4点/モンスター)
過去に川で伝説の怪物である『リバービースト』を目撃するものの、誰からも信じてもらえずに変人扱いされて町を追い出される事になった家庭教師のニールは、3年ぶりに従妹の結婚式に出席するためにリバータウンの町へと帰ってくる。
相変わらず町の住人からの変人扱いに辟易とするニールだったが、かつての彼の婚約者がロクでもない男と結婚しようとしていると知った事から、自分の正しさを証明して彼女とヨリを戻すために一流のハンターであるフートキンスにリバービーストを発見する事を依頼するが…
過去に目撃した怪物「リバービースト」の影を追い続ける家庭教師と怪物をめぐるパニックを描いた、モンスターホラー映画。
これはまた、なんというか久々に『酷すぎて笑いが出る』レベルの酷い映画を引き当ててしまいました。
なんかもうショボいとかってレベルを超越した酷さで、マジに観てて乾いた笑いしか出て来ないような作品です。
パッケージに『いかにも被り物です』って感じのモンスターの絵が描かれているものの、『いやいや流石に本編ではこんな酷い出来じゃないだろ』と思って観たのですが、まるっきりこのまんまの被り物(むしろこれよりヘボい)で、下半身に居たっては茶色のツナギっぽい服にヒレっぽいパーツが貼り付けられているだけどいうモンスターの簡素な仕様。
イマドキの学生の自主制作映画ですらもっとマシな特撮をするだろうって雰囲気で、もはや『学芸会の出し物かよ!!』というような酷いレベルです。
とは言いつつも、特撮が酷いのはパッケージからもある程度は覚悟していた事なのでまだ良いのですが、それ以外の要素も大概に酷い。
ストーリーも終盤までは『主人公が過去に別れたヒロインとよりを戻そうとする話』がメインで怪物とか殆ど出てきませんし、この話も登場人物がムカつくキャラと電波発言するキャラばかりでビックリする程つまらない。
加えて演出やらカメラワークも自主制作映画かと思うようなレベルで、とにかく画面が物凄く見難くて観ていて厳しい内容(物理的に目が辛い)です。
役者の演技も、英語が良く分からない自分が観てすら棒読みだと分かるような役者が何人か居て、何を思ってこのキャストを採用したのかと正気を疑いたくなるレベル。(まあキャストをスタッフが兼任しているのかもしれませんが…)
ツッコミどころもひたすら満載ですが、特に酷いのが終盤に主人公たちが『怪物退治』に行く事になるのですが、怪物と戦いに行く面々が何故か全員『素手』。
いやいや確かに見るからにショボい怪物だけど、既に数名の犠牲者が出てるんだから、退治に行くつもりなら銃とは言わなくてもバットやら包丁ぐらいは持っていこうよ!!
ちなみに怪物の方はパッケージにも写ってる『長い爪』を武器に戦うのですが、この爪が当然ながら実際には刺さらない&切れないので、怪物が戦っているシーンは主人公たちを優しく撫でているようにしか見えずに『全く迫力が無い』を通り越して『微笑ましい気持ち』になれる事うけあいです。
(まあ、あんまりイキオイ良く殴ると爪が取れちゃうから仕方ないよね!)
怪物を退治するための弱点も、まさかの『意表を付き過ぎなアイテム』で噴飯ものですし、ついでにラストの『ヒロインの父親が銅像として飾られるシーン』は『父親役の役者が肌を白色に塗って直立不動で立ってるだけ』なんですが感動的なシーンのふりして絶対に笑わせに来てますよね!!
(というか終盤のグレードのギャグが各所に仕込まれてたら、物凄い笑える作品になったと思う。)
とまあ酷すぎてツッコミを入れだすとキリが無いような内容で、良かった部分を探すのが困難なような作品ですが、リバービーストが『主人公に意地悪するムカつくキャラ』を派手に殺しまくってくれるお陰でカタルシスがあってストレスが溜まらないのはまあまあ良い感じかなぁ?
(ラストもご都合主義ながらも良い感じのハッピーエンドですし…)
総評としましては、なんというか色々と酷すぎて『評価に値しないようなレベルのZ級モンスター映画』という感じの作品です。
あまりにも酷い出来すぎてクソ映画だと早々に諦めがつくので最後まで観てもダメージが少ないのは良い点と言えるかもしれませんが、マトモな出来の映画を微塵でも期待しているのであれば本作はスルーしてしまった方が良いと思いますよ。
ただ、これ以上ないぐらいうにツッコミどころが満載なので、ネタ映画として鑑賞する分にはアリな作品だと思いますので、そういう需要を求めているのであればチェックしてみても良いかもしれません。