NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「バーニング・デッド」(25点/モンスター)

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■■■「バーニング・デッド」■■■
(25点/モンスター)

 1846年に北カリフォルニアのシエラネバダ山脈の『悪魔の山(デビルズ・ピーク)』で大規模な火山の噴火が発生。
 入植者の多くが溶岩に飲まれるという事件が発生する。

 それから150年後の現代。
 再び火山の噴火の兆候が確認された事から、政府は周辺の住人に対して避難勧告を出し、保安官のマイクは最後に残った頑固な祖父が住む事で知られるロバーツ一家の避難を手伝う事となる。

 しかし、そんな矢先に予想よりも早く大規模な火山の噴火が発生。
 保安官達は取り残された火山の研究者や一家の救助に赴く事となるが、噴火から逃げようとする彼らの前に火山の中から予想だにしていなかったゾンビの群れが出現し…



 北カリフォルニアの火山地帯で火山の噴火とともに現れたゾンビの群れが逃げようとする住人達を襲うという、ディザスターパニック&モンスターパニック映画。

 簡単に言うと『火山が噴火したら火山弾と一緒にゾンビが降ってきました』という、設定だけ見ると最高に訳の分からない設定の作品ですね。

 ただ、ディザスターパニック映画とゾンビ映画のオイシイところ取りをしようとしたんでしょうけど、実際の中身の方はなんといいますかどっちつかずで恐ろしく中途半端な作品になってしまっている印象。

 何が中途半端って、まず一番にとにかく『特撮がショボい』という事。

 そもそも超低予算映画でパニック映画とゾンビ映画の一挙両得を狙おうという考えが無理がありすぎで、ただでさえ少ない予算をゾンビとパニックシーンの両方に使おうとしてるもんだから特撮がお粗末になる事は必定(ひつじょう)。

 火山噴火のパニックシーンも合成まる分かりで迫力が無いですし、残虐シーンも物凄いショボくて迫力が無いですし…というか作品のレベルを鑑みるにゾンビ映画だけでも予算が足りなさそうな出来の映画なのにディザスターパニックなんか撮れる訳ないだろ、ムリすんなよ!!』としか言いようがありません。

 また『火山+ゾンビ』という組み合わせはインパクトがありそうな設定ではあるんですけど、そもそもこの組み合わせが全く上手く機能していないのは困りもの。

 お話的には『火山の噴火から逃れようとする主人公たちがゾンビに行く手を阻まれて脱出できない』みたいな感じの展開になるのですが、そもそも『安全圏に到達するためには36キロ以上離れる必要がある』みたいな設定が本編中で語られているせいで、『そこまで大規模な噴火だったらソンビが居ても居なくてもピンチ度に対して影響ないよね?』って感じで、ゾンビの存在価値が物凄く薄いです。

 また火山から出てきたゾンビという事で、触れると燃えるように熱いという設定があるのですが、この設定がたいして何かに活かされている事も無くて逆に『冷気による攻撃に弱い』という弱点が付加されているだけで、全く意味がありません。
 火口から火山弾と一緒にゾンビが降ってくるのはシュールで笑えますが、ホントにそれ以外にゾンビ映画としての見どころが全く無いんですよね。

 もっと『火だるまのゾンビが全力で追いかけてくる』みたいな破天荒なノリを期待してたのに、なんとも期待はずれな感じ…

 オチも『ボスゾンビっぽいゾンビが死んだら他のゾンビも一斉に死に絶えて、何故か噴火も終息する』という唐突過ぎるハッピーエンドで何が起こったのか全く意味が分からない(一応途中で伏線らしきものはあったけど…)ですし、その唐突なオチで何の疑問も持たずに納得している主人公たちの態度も理不尽すぎて意味不明。
 (だいたいボスゾンビも主人公たちが倒した訳じゃなくて勝手に溶岩に飲まれて死んだだけなのに、主人公たちは何を根拠に自分たちが救われたと納得したんだよ?)

 ハッキリ言って『理不尽すぎる内容と意味の無さ過ぎるプロットにツッコミを入れる』という以外に楽しめる要素が全く無くて、どうして欲しいのかどうしたいのかが良く分からない作品でしたよ…

 あと、パッケージを見たらダニー・トレホが主演のように描かれていますが、ダニー・トレホは相変わらず物凄いチョイ役ですので、ファンの人は騙されないように要注意ですよ。(っていうか、この人も相変わらず出る映画を全く選ばないよなぁ…)


 総評としましては、タイトルのインパクトの割には『特に観るべき要素の無い物凄く微妙なモンスター映画』って感じの作品です。

 面白い要素を詰め込もうとしたかったのは分かるのですが、現実は厳しくて『どの方向にも中途半端になってしまったB級映画』って感じで、なんともトホホな内容でした。

 まあ設定とかストーリーとか色々と酷すぎてツッコミどころだけは満載な作品でネタ映画として観るにはアリかもしれませんので、そういう需要を求めているのであればチェックしてみるのも良いかもしれませんよ。