■■■「7500」■■■
(50点/オカルト)
ロサンゼルス発東京行きのビスタパシフィック航空7500便で友人たちと共に旅行に出る事になった破局寸前のカップルであるブラッドとピア。
彼らは友人たちの勧めで東京行きの旅行に参加する事になったものの、自分たちの現状を秘密にして居る事に対して負い目を感じていた。
しかし、そんな矢先に飛行機が上空で強い乱気流に巻き込まれるというアクシデントが発生。
乱気流の揺れが収まると同時に、奇妙な木箱を大事そうに抱えたビジネスマンらしき男性が唐突に謎の発作を起こして死亡してしまう。
更にそれ以降、死んだ筈の男性の死体が消えたり、乗客の一人が行方不明になったり、乗客が怪しい人影を目撃したりといった奇妙な現象が相次いで発生。
最初に死んだビジネスマン風の男に秘密が何らかの秘密があるのではないかと考えたブラッドらは、彼の持っていた謎の『木箱』を開けてみようとするが…
謎のトラブルに見舞われた航空機の乗客たちが遭遇する正体不明の恐怖を描いた、オカルトサスペンス映画。
「呪怨」シリーズの清水崇監督の新作という事で少し期待していたのですが、なんというか『地味なお話』という感じの作品でしたよ。
清水監督というと凝ったプロットと絵面の矢鱈と怖い演出が特徴ですが、本作は残念な事にどちらもそこまでインパクトが感じられない作りという印象。
TSUTAYA先行レンタルのようですが、まあいつものTSUTAYA独占タイトルと似たような『予告とかでパッと見た感じは面白そうなんだけど、実際に観てみるといま一つ』という感じの内容です。
お話としては『とある国際線の航空機の中で乗客が謎の変死を遂げ、それを契機に奇妙な現象が立て続けに起こるようになり…』という設定で、主人公たちが謎の現象の原因を探っていくという感じのストーリーなのですが…
オカルトサスペンス的な構成にはなっているのですが、いかんせんホラー要素が物凄く薄いのは困りものです。
割と終盤まで特にコレといった事件が起こらないのに加えて、犠牲者が出るシーンでもイメージ映像みたいなシーンが多くて、清水監督お得意の『メチャクチャ怖いビジュアルの悪霊』みたいなのも全く登場しないので、どうにも盛り上がりに欠けます。
キャラの立て方とかは上手いのでお話自体には入り込みやすいのですが、謎解き的な要素も薄めなせいで全体的にちょっとダラダラしすぎ…
ラストの展開だけは意外性があってそこそこ面白いのですが、それ以外の部分が印象に全く残らないのは残念なところ。
というか、中盤までの謎の提示とオチの展開に関連が無さ過ぎる気がしたんですけど、あの謎の男の持ってた『木箱に入ってた人形』とか『飛行機では死にたくない』みたいなセリフはいったいどんな意味があったんでしょうか?
自分には全く意味が分からなかったのですが、自分が何か伏線を見逃してるだけなのかな…教えて偉い人!!
総評としましては、正直に言ってしまうと『いま一つパッっとしない印象のオカルトホラー映画』って感じの作品です。
清水監督のいつものクオリティを期待していると『あまりにもアッサリしすぎてて拍子抜けしてしまうレベル』なので、監督のファンだとしてもそこまでオススメは出来ないかなぁ?
予告を観た感じは面白そうで期待してたのですが『予告に全ての面白そうな要素』が含まれてしまっているという、いわゆる『予告だけ観れば十分な映画』って感じでしたよ…