■■■「シグナル」■■■
(30点/サスペンス)
MITに通う学生のニックとジョナの2人は、ある日、学校のサーバがノーマッドと名乗る何者かによってハッキングされ攻撃を受けた事から、犯人を捕まえるために調査を開始する。
犯人がネバダ州に居る事を突き止めた彼らはニックの恋人のヘイリーとともに3人で犯人を追跡し、砂漠の真ん中にある廃屋へと辿りつくが、廃屋を調査中に何者かの襲撃を受けて気を失った彼らは、病院のような場所で防護服に身を包んだ男たちに囲まれた状態で目を覚ます。
彼らは男たちから、自分たちが『地球外生命体と接触した事によって何らかの汚染を受けた可能性があるため隔離している』という話を聞かされるが、ニックは男たちの不審な態度に疑問を抱くようになり…
地球外生命体に接触した若者たちが謎の施設に隔離されて奇妙な実験を受けるという、サスペンスホラー映画。
いわゆる宇宙人とか陰謀論をモチーフとした監禁型のサスペンス映画ですが、系統としてはシチュエーションスリラーに近い印象の作品ですね。
ストーリーとしては『宇宙人に接触したと思われる若者たちが政府の組織らしき連中に監禁されるんだけど、その実は…』みたいな感じのお話なんですが、なんというか『とにかく地味な映画』です。
主人公たちが監禁された政府の施設から脱出しようとするという流れでお話が進んでいくのですが、お話の展開がかなり一筋縄で行かない感じになっておりストーリーが予想外の方向に二転三転していくのが本作の特徴…
って言うと、なかなか面白いお話のような気がするのですが、映画としては正直に言ってあんまり面白くありません。
確かに予想外の展開はあちこちに仕込まれているんですが、お話が物凄く淡々としていてとにかく盛り上がりに欠けるんですよね。
ネタバレになってしまうので具体的には書きませんが、『○○だと思っていたのが実は××でした』みたいな展開が結構あるんですけど、『それ別に○○でも××でも主人公たちの待遇や立ち位置はあんまり変わらないよね?』ってみたいな感じの展開がおおくて、ぶっちゃけ『だから何なんだよ?』って感じのどんでん返しが多過ぎるんですよね。
だいたい『予想していた展開』も『予想外のどんでん返し』も、どちらも物凄く地味な展開なので、どちらに行っても盛り上がりようが無いのが難点かと…
意味の無い演出や展開と言えば、ところどころで主人公の過去の記憶がフラッシュバックするようなシーン(主人公が足を怪我した原因?)があって、結構長い尺を割いてるのでこのシーンも何か深い意味があるのかと思いきや、特にコレといった意味が無いうえに何のフォローもなくて、なんかモヤモヤしっぱなしです。
主人公を掘り下げようとしてる割には感情移入とか全く出来ないようなストーリーで緊張感も何も無いですし、ラストのオチも衝撃の展開の割に『なんのこっちゃ?』としか言いようが無いようなオチですし、もうホントに『だから何が語りたかったんだよ?』としか言いようが無いような映画でしたよ…
総評としましては、一言で言うと『微妙で盛り上がりに欠けるサスペンスSF映画』ってのが正直なところですねぇ。
なんというか『色々と詰め込んでいる割にはそれらの要素が噛み合ってなくて全く盛り上がらない映画』という感じで、TSUTAYA独占レンタル作品なのですが『悪い意味でのいつものTSUTAYA独占作品』という感じの作品でしたよ。
正直に言ってあまりオススメする要素も無いですが、なんかの片手間に観る程度なら良い映画だと思いますので、まあTVとかで放映されたタイミングにでもチェックしてみる程度のノリで良い一本だと思いますよ。