（５０点／ラブストーリー）
両親を立て続けに無くしたうえに酒場での暴力沙汰で仕事をクビになったエヴァンは、落胆のあまり大学の卒業旅行で行こうと考えていたイタリアへの旅行に出る事になる。
旅先で若者たちとつるむうちにルイーズと名乗る美しい女性と出会った彼は、風変わりな魅力を持つ彼女に惹かれてたちまち恋に落ち、近くの農場でバイトしながら彼女と付き合い始める。
しかし、一週間の甘い時間を過ごした直後に突然『もう会えない』と言われて振られてしまったエヴァンは、彼女の奇妙な態度に不審なものを感じて彼女の元へと再び訪れるが、そこで彼女がモンスターの姿に変身している現場を目撃し…
2000年以上の時を生きるモンスターに変身する美女と青年との恋を描いた、モンスター映画風味の恋愛映画。
特殊な設定で変なタイトルが付いているので、もっと「スピーシーズ」的なホラー要素の強い内容かと思ってたのですが、いわゆる純愛もののラブストーリー作品ですね。
ストーリー的には『2000年以上の時を転生を繰り返して生き続ける美女が青年と恋に落ちる』って感じのお話なのですが、モンスター要素がどこにあるかと言うと、『ヒロインの女性が転生の際に自分の肉体と理性が制御不能になってモンスターに変身してしまう』という部分でモンスター要素がちょっとある感じ。
一応、美女がモンスターに変身して動物や人間を食べちゃうようなシーンもあるのですが、全体的にホラー要素は薄めの印象です。
ノリとしては雰囲気映画的なテイストが強い内容（といってもコメディ以外の恋愛映画は大概は雰囲気映画ですが…）で、低予算のインディーズ系の作品ながらも南欧の情緒やら登場人物の心の機微やらは丁寧に描かれています。
雰囲気映画だけあってお話のテンポはスローな印象ですが、欧州の映画じゃないのでそこまで雰囲気方面に走りすぎて眠くなるようなノリにはなってない感じですね。
一応はホラー的な要素もあるし、恋愛映画を殆ど見ない自分でも普通に最後まで鑑賞できたので、恋愛要素だけの作品が苦手な人にも割と見やすいかも？
ただお話が核心に迫るまでが結構長くてちょっとダレる部分が多く、終盤もモンスター要素がそこまで活かされておらずどうにも盛り上がりに欠ける印象。
ラストの展開とかはなかなか良い感じなのですが、ちょっとアッサリし過ぎてて物足りなかったので、もうちょっとモンスター要素を強く出してエンターテイメント寄りになってた方が面白かったんじゃないかなぁ…
総評としましては、『インディーズテイストのちょっと風変わりな恋愛映画』って感じの作品ですね。
いかにも低予算な感じの恋愛映画なので、あんまりプッシュする程では無いですが、独特の設定とテイストが肌に合う人にはなかなか楽しめる作品ではないかと…
基本的に恋愛映画なので、そっち方面に全く趣味が合わないという人にはオススメできないですが、『たまには変わったテイストのホラー風味の作品が観てみたい』というのであればチェックしてみても良いかもしれませんよ。
