NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「Q-ZONE:隔離地区」(30点/サスペンス)

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■■■「Q-ZONE:隔離地区」■■■
(30点/サスペンス)

 イギリスのとある街で過去に利用されていた地下の軍の兵器倉庫の爆発事故により、200人以上の死者が発生。
 その爆発事故の周辺地域は有害物質による『汚染地域』として、軍の厳重な警備によって隔離される事となる。

 記者のジェニファーは、隔離地域の周りで多発する不可解な殺人事件や自殺に不審感を抱き独自に調査を開始するが、自分の撮った事件の犯人や犠牲者の全ての背後に奇妙な『黒い人影』のようなものが写っている事に気付く。

 また調査を進めていくうちに、政府が隔離地域に関して何かを隠蔽しようとするような態度を取り続けている事に疑問を感じるようになっていき…



 とある女性記者が、謎の爆発事故で軍よって隔離された『隔離地区』の秘密を探るうちに恐るべき事件に巻き込まれていくという、サスペンススリラー映画。

 政府の(架空の)陰謀論をネタとしたSFサスペンスという感じの内容の映画なのですが、久々に『なんじゃコリャ?』としか言いようの無い作品を引き当ててしまった印象ですよ…

 お話としては『とある女性記者が爆発事故によって汚染された「隔離地域」の謎を追ううちに恐るべき事態に巻き込まれていく』みたいなストーリーで、謎解きがメインのサスペンス映画という感じの展開。

 序盤の謎の提示の部分は非常に面白くて、『調査を進める女性記者』と『娘を事故で失った刑事』の2つの視点から、徐々に隔離地域に関する謎が明らかになっていくという流れは良くできています。

 隔離地域の異様な雰囲気やら政府の陰謀論を感じさせるようなテイストやらもなかなか良い感じで、中盤まではかなり面白くて『これは期待できそうか?』と思わせる展開なのですが…

 思いっきりネタバレになってしまいますが、犠牲者を増やさないために感想を書いてしまいまうなら、とにかく終盤の展開が酷い。

 何が酷いって、全く謎が解決しないうえにオチも全くつかないという、超絶投げっぱなしエンドなんですよ。

 序盤~中盤で『隔離地域に政府が何か隠しているらしい』、『爆発した政府の兵器倉庫には何か秘密があったらしい』、『ヒロインが撮影した写真に写っていた謎の人の形をした影の正体は?』みたいな謎が提示され…

 更に終盤では『政府とマフィアが何らかの形で手を組んでいるらしい』、『死んだと思っていた隔離地域の人たちは実は生きていて事件を隠蔽しようとする軍の攻撃から隠れていた』という謎まで追加されて、『これをいったいどういう風にまとめるんだ?』と期待が高まるんですが…

 これらの謎が、本編中でまったくもって何ひとつ解決されないんですよ!!

 普通は投げっぱなしといっても、ひとつやふたつは『それっぽい解釈が出来るような手がかり』が提示されたりするものなのですが、本作に関してはそれすらも一切無し。
 あまりにも謎に対して説明が無いせいで、オカルトともSFともジャンルの区別すら付かないような状態です。

 しかも、オチもヒロインたちがなんとか隔離地域から脱出して一瞬だけ『ハッピーエンドっぽい展開』かと思いきや、ラストはヒロインは政府に監禁されてて、一緒に脱出した生き残りの人たちや恋人の安否も不明という、物凄い酷いバッドエンド状態。

 意味の全く分からない投げっぱなしにバッドエンドのダブルパンチに加えて、滅多にお目にかかれないレベルの豪快な『投げっぱなし』っぷりだったので本気で『ポカーン』とする以外に何も出来ないような状態でしたよ…


 総評としましては、映像のセンスやら特撮やらのレベルはそこそこ良いんだけど『全く意味が分からなくて「なんじゃコリャ?」としか言いようがない映画』って感じです。

 終盤ぐらいまではそこそこ面白いので、超絶レベルの投げっぱなしに我慢できるなら良いと思いますが、少しでもマトモなオチや解釈できる余地が付いていないと納得できないという人は絶対に観ない方が良いと思いますよ。

 本気で1ミリグラムすらもオチが無い作品ですので、まあ逆に『そういうネタ』として鑑賞してみるならアリかもしれませんが…