NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「リピーテッド」(65点/サスペンス:結構オススメ)

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■■■「リピーテッド」■■■
(65点/サスペンス:結構オススメ)

 40歳のクリスティーンは、過去に遭った事故の影響で毎朝目覚めるたびに前日までの記憶を失い20代の頃まで記憶が逆行してしまうという記憶障害を負っていた。

 毎朝、夫のベンによって情況の説明を受けるという、献身的な介護によって生活していた彼女だったが、ある日、自分の担当医から彼女が記憶を失ったのは事故ではなく『何者かに襲われて頭に傷を負ったせいだ』と告げられる。

 医師の言葉に衝撃を受けた彼女は、その真相を確かめるために毎日の生活の記録をこっそりとビデオカメラに残すようになるが、やがて彼女が忘れていた思いがけない事実が判明していき…



 眠って目を覚ますと前日までの記憶を失うという特殊な記憶障害を持った女性が、自分の過去に秘められた真実を探ろうとするという、サスペンススリラー映画。

 いわゆるメメント」の主人公も持っていた『先行性健忘』(事故後の記憶を維持できない)という記憶障害を題材としたサスペンスですが、簡単に言ってしまえば、バイオレンス要素が薄めで人間ドラマ的な要素が濃い目の「メメント」って感じのお話ですね。

 お話としては、『先行性健忘の主人公が毎日の出来事を記録しつつ自分の過去の出来事を探っていくうちに、思いがけない過去の事実が判明して行き…』といった感じのストーリーなのですが…
 下手に内容について触れると即座にネタバレになってしまうために詳しくは書きませんが、サスペンスとしてのプロットや謎解き要素なんかは非常に良く出来ていると思います。

 主人公が過去に関わった人物とかがキーマンになって真実が少しづつ見えてくるという感じの展開なのですが、内容的には割と人間ドラマ的な要素が強めな印象。
 この謎解き要素がドラマとしては色々と盛り込んで面白くつくられてはいるですけど、あまりにも主人公が過去に色々と抱えすぎてて途中からちょっと笑ってしまいました。
 (別に記憶喪失じゃなくてもサスペンスとして成立するレベルだと思う。)

 また中盤までは人間ドラマが中心の『ちょっと良い話』系の展開になるのかと思いきや、終盤でなかなか予想外のストーリーに突入して先の読めない展開に突入するのは面白かったですね。

 あと主人公がフラッシュバック的に過去の出来事を思い出すシーンがあったりと少しだけ記憶が残ってそうな描写があるのですが、この辺が謎解きとミスリードの双方に使われているのも良く出来た手法だと思いました。
 (本当に『全く記憶が残らない』という設定だと、ちょっと展開がグテグテになりがちですからね…)

 ただ終盤の展開は抜群に面白いのに、『オチはちょっとパンチが弱かったかなぁ?』って感じたのは少し残念なところかも?

 あと個人的に気になったのは、主人公が真実を探ろうとしている割には数分のビデオを残すだけで『メモ』とかを一切残さないという事ですかね?
 自分がこんな情況なら、確実に疑問を抱いた事をメモに残して記憶の裏づけを取ろうとすると思うんですけど…

 まあ、お話の流れがややこしくなるので排除したのかもしれませんが、この辺はちょっと違和感がありましたよ。


 総評としましては、『なかなか個性的な題材を扱った内容で、かつ良く出来たサスペンス映画』だと思います。

 惜しむらくはメメント」とネタがまるっきり被っているので、「メメント」を観た事がある人にはちょっと驚きが少なそうという辺りかなぁ?

 でもまあ普通に謎解き作品としてもドラマとしても面白いので、気になっているならばチェックしておいて損は無い一本だと言えるでしょう。