NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「グリード FROM THE DEEP」(35点/モンスター)

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■■■「グリード FROM THE DEEP」■■■
(35点/モンスター)

 海上に浮かぶ実験室で、一人のマッドサイエンティストが遺伝子操作により次世代のタンパク源となる生物の開発実験を行っていた。
 しかし実験中の生物は暴走、巨大化し科学者を食い殺して恐ろしい勢いで増殖を始める。

 同じ頃、カメラマンのチェイは雑誌のグラビアガールを決定するコンテストの取材のために南の島のリゾートホテルを訪れていたが、そのホテルを海上で増殖した『人食虫』の大群が津波となって襲撃。

 なんとか『人食虫』を撃退した彼らだったが、旧友のマンが雑誌オーナーのケヴィンと共にクルージングに出ていて海上に居る事を知った事から、彼女の後を追って海上へと向かう事となるが…



 マッドサイエンティストの作り出した『人食虫』の大群とその女王が南の島のリゾートホテルを襲うという、モンスターホラー映画。

 「グリード FROM THE DEEP」なんてタイトルが付いていますが、当然ながら本家の「グリード」とは何の関係も無い香港(中国)製のモンスター映画で、原題はそのものズバリ「人食虫」。

 中国製のモンスター映画というと「グエムル」を思い出しますが、本家に登場するモンスターの女王もグエムルとクモを足して2で割ったようなデザインなんですが、こういうデザインのモンスターが中国では人気があるのかしらん?

 映画の中身の方は、なんというか純粋に『ツマんない』(というか『寒い』)という感想が真っ先に出てくるような内容ですね。

 中途半端にコメディ的なノリを入れようとしているせいで、登場するキャラが軒並み物凄く濃くて鬱陶しいので、とにかく観ていてイライラします。
 (中国製のモンスター映画って、本作に限らず妙にコメディ要素を入れようとしたがる傾向がある気がするのですが、お国柄なんでしょうか?)

 この無駄なコメディ要素のせいでお話のテンポが悪く、その割にはモンスターの襲撃シーンもあまり面白みが無いせいで、何か見せ場となるシーンのカタルシス以上にストレスが溜まりまくるんですよ…

 主人公やヒロインのキャラも魅力が全く感じられないですし、一番の見せ場であるモンスターにもたいして魅力が無いのが困りもの。
 図体がデカくて派手なデザインの割にはあんまり強くなくて割としょうもない攻撃でダメージを受けたり、退治方法も特に捻りが無くて矢鱈とアッサリしてたりとどうにも物足りないです。

 ただお話は面白く無いのですが、モンスターのCGとかはなかなか頑張っており、モンスターが暴れるシーンは割と見応えがあるのは良い感じ。
 でも、せっかくモンスターをここまで気合入れて作っているんだから、もっと魅力的な描き方さえしていればそこそこ観れる作品になっていたと思うのに、なんとも残念な感じですよ…

 あと割とどうでも良い事なんですが、このモンスター、CGで作っているクセに何かストップモーションアニメみたいな妙にカクカクした動きをするのは一体何なんでしょう…
 ハリーハウゼン作品へのリスペクト的なノリなのかもしれませんが、敢えてカクカクした動きにするのはいったい誰得なんだろうか?
 (もしかしたら、予算が足りなくてCGのコマ数を節約しただけだったりして…)


 総評としましては、ひとことで言うと『微妙としか表現のしようの無いレベルのモンスターホラー映画』って感想が正直なところですね。

 モンスターの映像だけはそこそこ観れるのでそれなりのレベルは感じられますが、笑えないギャグでイライラさせられるのが嫌いな人にはストレスが溜まるだけの映画になってしまうかも…

 まあ中国製のモンスターホラー自体が貴重なジャンルなので、そういう方面に興味がある人であれば、ネタとして観ておいても良い作品かもしれません。