NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「アンデッド・ソルジャーズ」(40点/サスペンス)

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■■■「アンデッド・ソルジャーズ」■■■
(40点/サスペンス)

 第二次大戦末期の1944年。
 ドイツ軍はソ連軍の攻勢によって、侵攻していたルーマニアの森林地帯からの撤退を余儀なくされつつある情況にあった。

 そんなある日、陸軍のフライシャー少佐の率いる小隊は、親衛隊(SS)からの依頼によって不気味なウワサの絶えない『ホイア・バキューの森』の特定の地点にある遺跡へと、民間人の女性科学者アンナとSSの将校を護衛して連れて行くように上層部から命令される。

 危険な任務を渋々承諾した彼らだったが、森林地帯での作戦途中に不気味な叫び声を聞いたりあり得ない物が見えたり、仲間や敵が灰だけを残して忽然と姿を消したりと、異常な現象が相次いで発生。

 やがて彼らはSSのオカルト部隊による作戦の真の目的を知らされる事となり…



 ルーマニアの森林地帯の遺跡まで女性科学者を護衛する事になったドイツ陸軍の小隊が森の中で異常な現象に遭遇するという、戦争映画風味のオカルトホラー映画。

 タイトルだけ観ると『ゾンビもの』っぽい印象を受けますが、実際の中身の方は特にゾンビが登場する訳では無く、オカルト系のサスペンス映画って感じの内容ですね。

 お話としては『ドイツ軍の小隊がSS(ナチス親衛隊)のオカルト部門特殊部隊の護衛として不気味なウワサのある森の中に侵入したところ、あり得ない様々なオカルト的な現象に遭遇する…』といった感じのストーリー。

 魔術的な土地で『犠牲者となる人間が『異空間』みたいな場所に連れ去られて、過去のトラウマに関連する恐怖を味わう(ついでに殺される)』みたいな展開(ここで一応『殺された筈の兵士』が登場したりするシーンはある)で、作風的には『悪夢ホラー』ものみたいなノリに近いかも?

 …って説明を聞いても内容がいま一つピンと来ないかもしれませんが、実際に本編の方も非常にわかり難い構成なんですよね。

 特に序盤~中盤は、このオカルト的な『世界観』の説明がなされないままに色々な怪奇現象が発生するので、主人公たちの身に何が起こっているのやらサッパリ分からなくて非常にモヤモヤします。

 戦争映画的な戦闘シーンなんかもあったりと、B級映画にしてはそこそこ予算がかけられてるっぽい作りなのは好感触ですし、世界観が分かってくれば割と面白い設定でオカルト的で不条理な雰囲気も良い感じなのですが…

 いかんせんお話の核心に触れるまでがかなり長いのに加えて、場面によって時系列が前後するシーンがあったりするのも、難解さに拍車をかけている印象なんですよね。

 この難解さのせいで全体的にテンポが悪く感じてしまい、やや冗長な印象を受けてしまう部分があるので、もうちょっと分かりやすい作りにした方が良かったかも?

 また、ラストも何だか良く分からないまま投げっぱなしで終わってしまった感があるので、もうちょっと上手い落としどころは無かったもんかなぁ…


 総評としましては、面白いんだがそれほどでも無いんだかいまひとつ釈然としない『良く分からないB級オカルト映画』って感じの作品ですね。

 独特の世界観やらオカルト設定やら観るべき要素はそこそこあるものの、全体的に大雑把な作りで微妙な部分も多くて、ちょっともったいない印象を受ける映画でしたよ。

 気になっているなら観ておいても良い作品だと思いますが、強くはオススメするほどでも無いような内容なので『まあお好みで…』って感じの一本だと思います。