NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「トリプルヘッド・ジョーズ」(30点/モンスター)

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■■■「トリプルヘッド・ジョーズ」■■■
(30点/モンスター)

 海洋生物学を専攻する学生のマギーはもと恋人のグレッグらとともに、南海の孤島の海底にある巨大研究施設である「ペルセポネ」へとインターンとして配属され、海洋汚染の研究に参加する事になる。

 しかし、研究者のローラらに施設の説明のオリエンテーションを受けている最中に、3つの頭を持ったクジラほどの大きさのある巨大なサメが出現し、施設への猛烈な攻撃を開始。

 怪物の襲撃からなんとか避難したものの施設が破壊されてしまった事から、彼らは南海の孤島に孤立する事となってしまい…



 海洋汚染の影響で誕生した3つの頭を持つ巨大なサメが人間を襲うという、モンスターパニック映画。

 タイトルのとおり、同じASYLUMの「ダブルヘッドジョーズ」の続編に当たる作品で、前作がちょっとウケたので『とりあえず頭の数を増やした続編を作ってみました』って感じの2匹目のドジョウというか3匹目の人食いザメを狙ったような映画です。

 ただ、続編と言っても特に前作とのストーリー的な関わりとかは無いようで、『前作と同じような怪物が出てくる映画』といった程度の繋がりという感じ…
 海洋研究所が舞台として登場するので、てっきり『研究者がダブルヘッドジョーズの遺伝子を用いて新たな怪物を作り出した』みたいな設定でもあるのかと思いきやそういう訳でもありません。

 また、いわくあり気に登場した海洋研究施設も序盤の15分程度でアッサリ破壊されて普通のパニック映画みたいな展開になってしまうため、なんというか物凄い無駄設定という感じです。

 映画の内容に関しても、そもそも前作からし『人食いザメの頭が2つになったから何だって言うんだよ!!』って感じのストーリーだった訳ですが、本作でもそのツッコミどころは同様で、何と言うか今回も『人食いザメの頭が3つになったから何だって言うんだよ!!』としか言いようが無いような映画ですね。(笑)

 それでも前作ではまだ『2人の人間を同時に食べる』というシチュエーションやら『2つの頭が獲物を奪い合う』みたいなシチュエーションを無理矢理ふんだんに用意していたのですが、本作はそういうシチュエーションもそれほど多くなくて『単にデカいサメでもあんまり問題ないんじゃない?』ってシーンが多過ぎるのも残念なところ。(まあ相変わらず『不自然なぐらいに3人が並んで登場してまとめて食われる』ってシーンもあって、ちょっと笑わせてはくれるんですけど…)

 ストーリーは有って無いようなノリで、最初から最後まで『トリプルヘッドジョーズがひたすら研究所員やら観光客を襲い続ける』というだけの内容。

 最初から最後まで怪物がずっと出ずっぱりなのでテンポが良くて退屈しないのは良いんですけど、襲撃のシチュエーションにあまり面白味が無いシーンが多く、また前述のとおり怪物に個性がそれほど感じられないため、どうにも冗長に感じてしまうのは難点ですね。

 でもまあ、個性派俳優のダニー・トレホがなかなかオイシイ役で登場していたり、終盤のトンデモ展開はそこそこ面白かったりそれなりに笑える要素もあるので、完全に退屈なだけの映画って訳でもないのは良い点かなぁ?

 ラストの怪物の退治の方法も『なんのこっちゃ?』って感じの展開ですし、どうにも前作同様に『頭が3つある』というシチュエーションを活かし切れてない部分が多かったので、もうちょっとトンデモ要素の強いバカ映画的なノリでも良かった気がしますよ…


 総評としましては、全体的に『印象に残らない内容でイマイチ感の強いB級モンスター映画』って感じの作品です。

 前作もそうでしたが、バカっぽい設定の割にはハジけきれてない部分が多くて、いま一つ盛り上がらない感じの内容なので、お馬鹿映画を求めている人には物足りない内容ではないかと…

 本作もきっと、ネット配信やらTV放映やらのサメ特集でそのうち放映されると思いますし、そういう企画でみんなでネタとして観るには楽しい作品だと思うので、気になっているならそういうタイミングでチェックしてみるって程度でも良いような一本だと思いますよ。