■■■「ゼット・ワールド」■■■
(8点/モンスター)
ゾンビウィルスの蔓延し全世界で10億人以上の死者を出してから2年。
政府は完全に崩壊し、世界中にゾンビがはびこる世の中になっていた。
軍の基地でゾンビウィルスを研究する科学者のリーは、ゾンビウィルスのサンプルを採取するために基地から地上へと出るが、ゾンビに遭遇したところをマッカイとセフと名乗る2人の男性に助けられる。
ゾンビの襲撃から逃れるために身分を隠したままかつての自宅へと逃げ込んだ彼らだったが、2人の男は彼女が『崩壊した筈の政府の人間なのではないか?』と疑いを抱くようになり…
ゾンビウィルスの蔓延で崩壊した世界で一人の女性科学者と2人の男たちがサバイバルを繰り広げるという、モンスターホラー映画。
何本か借りてみて最近気付いたのですが、本作をリリースしている『アサルトワン』ってレーベルはヤバいですね…基本的に物凄い地雷ばかり投入してくれます。
逆にヤバすぎて「猛獣WARS」とか「エイリアンVSアバター」みたいなとんでもない怪作をブチ込んでくれる事もあるので油断できませんが、怪作レベルに達していない作品は単純に苦痛なだけなので、純粋に『ネタ映画として観たい』と思った作品以外は避ける方が無難なレーベルかも?
(逆にネタ映画を求めてる場合には物凄く頼もしい存在ですけど。(笑))
とまあレーベルの話はさておき本作の作品としての評価に関してですが…
ここまで書いたらだいたい予想が付くと思うのですが、それはもう物凄く酷い作品です。
何が酷いって、とにかく面白く無い…というか『何が言いたいのかサッパリ分からない』ってのが辛い。
一応、ヒロインの『ゾンビウィルスを研究するため』って目的や、2人の男たちの『避難している他の人たちを救うため』みたいなメインの目的は語られはするので壊滅的に意味不明な訳ではないんですが、その他の世界観やらキャラクターやらのバックボーンが圧倒的に説明不足のため、彼らの行動原理やらに全く感情移入できないで『何だか釈然としないままにダラダラとお話が進んでいく』のがキツいです。
また世界観と同様にお話のテーマ性とか方向性も全く見えてこない感じの作りで、『誰に感情移入して作品を観れば良いのか』とか『作品をどういうスタンスで楽しんだら良いのか』とかが全く分からないので、とにかく見ていてダレてしまいます。
まあゾンビ映画なんだから、お話がツマんなくてもゾンビの襲撃シーンとかが面白ければそれなりに見れるのですが、ゾンビの登場シーンの特撮もアクションもまた非常にお粗末。
微塵も迫力の無いゾンビとの戦闘シーンに加えて、グロさの欠片も無いような残虐シーンという体たらくで、『自主制作映画でももうちょっとマシな襲撃シーンが作れるだろ…』っていう感じのレベル。
しかも、その襲撃シーンも物凄く少なくて90分の本編で10分ぐらいしかなくて、そもそも低予算だからゾンビ映画とか作ってるんでしょうに、ゾンビにすら見せ場が作れないって『どんだけ超低予算なんだよ!!』と…
ちなみにゾンビの出てないシーンは何をやってるかというと、登場人物たちが延々と身の上話とかをダベってるんですけど、矢鱈とダラダラと語る時間が長いくせにキャラクターのバックボーンやら世界観やらが判然としないままお話が進むって、ある意味で『意味のないシーンを描き続ける』事に関して物凄い才能なんじゃないかと…
あと、最後にちょっとドンデン返し的な要素があるものの『だから何だよ?』って感じの内容ですし、ラストのオチも何が言いたいのやらサッパリ分からないですし、最後まで何処をどう楽しんだら良いのかがサッパリ分からない作品でしたよ。
総評としましては、正直言って『全く誉めるべき部分が見当たらない純粋にツマんない映画』って感じの一本です。
本当にダラダラしてショボくてツマんないってだけでネタとして笑えるような要素も全く無いですし、ネタ映画として観るにも厳しい内容なので敢えてツマんない映画を観る事で精神の修練を積みたいとかって人にしかオススメできません。
ちなみに自分は深夜に観たせいで3回ぐらい寝オチしてしまったので、どうしても観たいという場合は寝不足じゃない時に見る事をオススメしますよ…