■■■「ゾンビーバー」■■■
(55点/モンスター)
アメリカの片田舎で、医療廃棄物を積んだトラックが事故を起こして積荷を川に落としてしまった事から、汚染によってビーバーがゾンビ化してしまうという事件が発生。
そんな矢先、女子大学の3人組のメアリー、ゾーイ、ジェンは、森の中の湖畔にある従妹の別荘へと遊びに来る。
そして3人で気ままに休暇を過ごす予定だったところに、彼女たちの彼氏であるサム、トミー、バックの3人も合流し、酒とセックスに明け暮れる彼らだったが、そんな最中にジェンがバスルームで異常に凶暴なビーバーに遭遇。
悲鳴を聞きつけたトミーがバットで念入りに撲殺するが、翌朝に明らかに死んでいたはずのビーバーの死体がどこにも見当たらず、森の中に逃げたかのような足跡を発見し…
医療廃棄物の汚染によってゾンビ化したビーバーの群れが若者たちを襲うという、モンスターパニック映画。
なんというか、タイトルからして『語呂合わせだけで考えたネタ映画だよね』って感じですが…
実際の映画の中身の方も『語呂合わせとイキオイだけで作ったネタ映画だよね!!』ってとしか言いようが無い感じの作品です。
ストーリーも『学生たちが湖畔の別荘に遊びに来たらゾンビ化したビーバーに襲われました』というそれだけの内容ですが、まあぶっちゃけ本作にそれ以上の内容を求める理由も無いので特に問題は無い感じ…
ともあれ凶暴な面相をしたビーバーの群れに主人公たちが襲われるのはなかなかシュールで笑える展開ではあります。
ただ残念なのは、『シュールなシチュエーションという以外にそこまで笑えるネタが無い』と言う事かなぁ?
『ソンビ化したビーバーの群れが主人公たちを襲う』って絵面は面白いんですけど、ネタがそれ以上でもそれ以下にも無い感じになってしまっており、なんとも出オチ感が漂う印象。
また、『明らかにヌイグルミ(マペット)のゾンビーバーが人間を襲う』という姿がシュールで笑えるのに、夜間のシーンが多めで可愛いゾンビーバーちゃんが良く見えない場面が多いのは勿体無いです。
特撮を低予算で上手く見せたかったのかもしれませんが、どうせバカ映画なんだから、ショボい特撮を開き直って押し出していくぐらいのスタイルでも良かった気がしますよ。
ゾンビーバーのキャラクターも、ビーバーらしい要素が『地面にトンネルを掘る』とか『木を齧って倒す』ぐらいしかなく、ちょっとインパクトが弱いです。
内容に関しても、コメディ路線の割にコメディに振りきってるのかというとそうでもなくて、中途半端にマジメな要素を持たせてるものだから微妙にテンポが悪くてスッキリとしないんですよね。
ただ終盤の展開はかなりバカっぽくて楽しいので、序盤からもっと破天荒な感じでも良かったんじゃないかなぁ?
なんと言うか、全体的にバカ映画の割にはハジけきれてない部分が多いような印象で、タイトルにインパクト負けしてしまった感があったので、『もうちょっと徹底的にハジけた内容だったらなぁ…』と思わされてしまうような物足りなさを感じる作品でしたよ…
総評としましては、『タイトルのインパクトの割には物足りなさの漂うモンスターホラー映画』って感じの作品です。
そうは言いつつも、ネタ映画として観る分にはまあまあアリなレベルではあると思うので、そういう『一発ネタ映画』を求めているのであればチェックしてみても良いかもしれません。
逆にそうで無ければTV放映された時にでも…と言っても、若干エロいシーンなんかもあるので地上波での放送は難しいかもしれませんので、ネット配信なり衛星放送なりで放映されたタイミングででも見てておけば良い感じの一本だと思いますよ。