■■■「人間まがい」■■■
(40点/サスペンス)
1987年のメーン州の田舎町。
セスは友人のロブが青い閃光によってさらわれたのを目撃した事から、あわてて親友のマークの家へと逃げ込むが、様子を見るために外に出たマークまでもが閃光によって誘拐されてしまう。
それから2年後、町で再び同じような閃光が目撃されるという事件が発生。
セスは再び事件が起こると予感して、マークの妻の元へ訪れ注意を促すために訪れる。
そんな彼らの元へと2年前に失踪したはずのマークが現れるが、彼は既に人間以外の『何者か』へと変貌しており、殺人鬼と化して次々と周りの人間を殺害していくのだった…
謎の青い閃光によって誘拐された友人が2年後に殺人鬼と化して帰ってくるという、乗っ取りタイプのサスペンススリラー映画。
いわゆる「ボディスナッチャー」系の人体乗っ取りタイプのエイリアンが登場するモンスター映画なのですが、なんというか『驚くほど中身の無い映画』って感じの内容です。
お話としては『2年前に青い閃光にさらわれて失踪した友人が、殺人鬼(というか怪物)になって戻ってきました』というそれだけの内容で、いわゆる乗っ取りものの『いつのまにか隣人が宇宙人にすり替わっている』みたいな侵略ものっぽい要素は一切なし。
帰ってきた友人が『遭遇する人間を片っ端から殺害して卵を植えつけてモンスター化していく』という展開なので、むしろ殺人鬼ものやモンスター映画というジャンルの方が近い印象です。
この『人間まがい』になった友人は、ホントに遭遇した人間を有無を言わさずに殺すだけなので、サスペンス的な要素…というかストーリー的な要素は殆ど無し。
というか、『帰ってきた友人』が『唐突に現れたモンスター』でも何も問題が無いような展開のため、これって『2年前に失踪した友人って設定、要らなかったんじゃないの?』というのが正直なところです。
まあでも、単純にスラッシャーホラーやモンスターホラーとして観た場合は、残虐シーンはそれなりに多めですしお話のテンポは良いので全体的に退屈しない作りなのはなかなか良いですね。
ただ本作ならではの個性のようなものが乏しくて、見終わった後にこれといって印象が残らないのは残念なところ。
『人間まがい』が卵を植えつける際の『口から触手を伸ばして卵を吐き出す』ってビジュアルはインパクトがあるのですが、『卵を植えつけられて乗っ取られた人』も単純にゾンビみたいになっちゃうだけで扱いが雑だし…
もうちょっと『乗っ取り要素』に何らかの面白味があればそこそこ楽しめる映画になったと思うんですけどね。
総評としましては、これといって印象に残る要素の無い『いま一歩な感じのモンスターホラー映画』ってのが正直な感想です。
スラッシャー映画やモンスター映画としてなら良いですが『宇宙人侵略もの』みたいな設定でありながら侵略要素は全く無いも同然なので、そういう部分に期待していると盛大に肩透かしを食らわされるかも?
気になっているのであれば観るのを止める事はしませんが、特にオススメする程の要素も無いかなぁ…って感じの一本といったところですよ。