■■■「ディープ・インフェルノ」■■■
(30点/モンスター)
大学の卒業記念に友人たちと共にパナマのビーチに旅行に訪れたスコットとステフは、ネットでこの近くに『ダリエン地峡』という場所に殆ど人が足を踏み入れないジャングルがある事を知る。
この奇妙な場所に興味を持った彼らは、地元の若者のフリオにその場所の事を聞いたところ、『恐ろしい怪物の伝説があり現在は立ち入り禁止になっている』と教えられるが、スコットらは彼の制止も聞かずに興味本位からジャングルへと探検に出る事になり…
パナマの奥地にある立ち入り禁止のジャングルへと踏み入った若者たちが正体不明の怪物に襲撃されるという、モンスターホラー映画。
タイトルからして「グリーン・インフェルノ」のパクリ映画っぽい感じですが、あちらが『食人族』なのに対してこちらは『チュパカブラ』がモチーフという事で、内容の方は微塵も関係のないお話ですね。
タイトルが微妙にパクリっぽいのはさておくとして、肝心の中身の方はと言うと…
『低予算だなぁ…』ってのが随所に感じられるような、B級というよりもC級ぐらいのレベルの低予算のモンスター映画って感じの作品ですね。
お話の方は『怪物の伝説のあるジャングルに地元民の制止も聞かずに足を踏み入れた若者たちが、予想通りに怪物に襲われる』という、まあそれだけのお話です。
中盤ぐらいまでの展開は、モンスター映画のテンプレートに沿ったかのような流れで、お話のテンポなんかはそこまで悪く無いのですが低予算映画らしい『怪物の出し惜しみ』が結構ひどくて、怪物の影っぽいものが画面にチラッと写った後に次のシーンで犠牲者が血まみれで倒れてるみたいな展開ばかりで、ちょっとイライラします。
特に中盤は夜のジャングルのシーンが殆どなせいで、怪物が出し惜しみなうえに画面が真っ暗で何が起こっているのかサッパリ分からないせいで、観ていて物凄くダレて途中で眠くなってしまいましたよ…
ただ中盤までの展開は観るべきところは無いのですが、終盤にかけての『主人公たちがSNSにアップした怪物に襲われる場面の動画』が拡散されて、地元の機関やらが救助に訪れるって展開は、なかなか今までに無い感じのパターンで面白かったですね。
また終盤になると怪物も割とシッカリと画面に登場するので、まあまあ観れる作品になるという印象。
ただ、怪物のデザインにあまり面白味が無く(チュパカブラって割には単に凶暴なゴラムみたいな感じ)、またストーリーの題材としてSNSを活用するにしても、単に『動画が拡散される』ってだけじゃなくてもうひと工夫欲しかったところですよ。
総評としましては、全体的に『パッとしない印象の低予算モンスター映画』って感じの作品ですね。
SNSを活用するというアイデアは悪く無いんですけど、メインのストーリーそのものが特に個性も無くて面白味に欠ける内容なので、一発ネタのアイデアだけでは流石にどうにもならないレベルかなぁ…という印象。
特にコレといってオススメするような要素も無い作品ですので、観てみたいのであればネット配信とかケーブルTVとかで放映されるのを待つのが無難な感じの一本じゃないかと思います。