NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「戦慄病棟」(65点/サスペンス:結構オススメ)

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■■■「戦慄病棟」■■■
(65点/サスペンス:結構オススメ)

 知的障害や精神異常の子供たちを集めて収容、虐待や人体実験などが繰り返されて大勢の子供が亡くなったとウワサされ、1970年代に閉鎖された『エクセター児童院』。
 その廃墟の改装工事に協力する事になった教会ボランティアのパトリックは、改装前に廃墟に友人たちを集めてパーティを行う事になる。

 パーティの最中に『幽霊が出る』と言われているこの廃墟の噂を確かめようとした彼らは、パトリックの弟のロリーに遊び半分で交霊術を施したところ、ロリーの体に本当に悪霊が取り憑いてしまい、パニックに陥ってしまう。

 なんとかロリーをベッドに縛りつけ知人の神父に助けを求めた彼らだったが、助けに来た神父を事故で誤って殺してしまったうえに、不思議な力によって廃墟に閉じ込められてしまい…



 精神病院の廃墟で遊び半分に降霊術を行った若者たちが呼び出された悪霊によって恐怖のどん底に叩き落されるという、オカルトホラー映画。

 いわゆる廃墟物で幽霊屋敷もののオカルト映画で、特にノーマークだったのですがこれがなかなかの掘り出し物でしたよ。
 確認してみたところ13日の金曜日」のリメイク版の監督さんの作品だという事で、なるほど確かにあの映画はなかなか良く出来ていたので納得です。

 お話としては『精神病院の廃墟に訪れた若者たちが面白半分に降霊術を行ったところ、仲間の一人に本当に悪霊が取り憑いてしまい』みたいな感じの展開なのですが、テンプレ的な設定の割にはストーリーの方はあんまりテンプレというノリではなくてなかなか捻りが利いています。

 単に『悪霊に追い掛け回される』って展開じゃなくて、教会に務める主人公がWebサイトで見つけた付け焼刃の悪魔祓いで悪霊を追い払おうとしてみたり、悪霊の要求を聞くためにヴィジャボードでコミュニケーションを取ろうとしてみたり、色々な要素が詰め込まれており飽きさせない作りになっているのも良い感じ。

 この辺の、どうでも良さそうなシーンで少しづつ得られる手がかりがキチンと伏線になっており、終盤でちょっとした予想外のサスペンス的な展開に突入するのも面白いところですが、色々と詰め込まれている割には詰め込み過ぎになっておらず、意外とバランス良くまとまっているのも、なかなかポイントが高いです。

 また、もともと「13日の金曜日」とかを撮った監督だけあって残虐シーンも結構強めで、その手のノリが好きな人にも満足できるような作りになっているのも嬉しいところでしょう。
 残虐シーンにムダに過激でイキオイがある感じで、やりすぎゴアホラー的なノリで『グロいんだけどちょっと笑えてしまう』って作りなのも良かったです。

 ただ全体的にテンポが良くまとまった感じの作品なのですが、欲を言えば盛り上がるシーンが終盤に集中しすぎてて、中盤辺りまでの展開がちょっと見せ場に乏しいのは残念な部分ところかな?

 あと、廃墟のロケーションが非常に良い感じなのですが、内容が割と過激で派手なせいで廃墟の印象が薄くなってて、『廃墟の雰囲気』があんまり活かせてないなのは勿体無い部分かも…

 他には、序盤で神父が死んだ際にみんなで『死体を隠蔽しようとする』流れがあるんですけど、あんまり意味の無いシーンですし無理に主人公たちをゲスっぽく描こうとする流れは必要なかったんじゃないかなぁ?


 総評としましては、テンポも良くて程よく過激で『色々な部分でバランスよく良くまとまったオカルトホラー映画』って感じの作品ですね。

 ゴア描写も結構強めなので、そういった過激なスラッシャーホラーとか幽霊屋敷ものとかが好きな人には、なかなかオススメ出来る作品だと思います。
 逆に正統派オカルトホラーが好きな人や、残虐描写が苦手な人にはちょっと向かない作品かも?

 ともあれ全体的に完成度の高い出来なので、気になるならばチェックしておいて損は無い一本だと思いますよ。